ロレンシャンです。
私は現在、インデックス投資を主軸にしながらも、高配当株投資、そして中小型成長株投資も楽しんでいます。
中小型成長株投資の魅力は何といってもその爆発力です。
インデックス投資では短期間に基準価格が2倍になることは少なく、5倍、10倍はまず無理ですが、中小型成長株投資ならば決して不可能ではありません。
テンバガーという言葉がありますが、これは買値から株価が10倍になった銘柄のことで、個別株投資家にとっての憧れでもありますし、私もいつかはテンバガーを達成したいとワクワクしながら成長株投資を楽しんでいます。
今回は、中小型成長株投資をする上で私が守っている原則と、銘柄選定の際に気を付けているポイント、中小型成長株投資のよくある疑問点について解説していきたいと思います。
中小型成長株投資をする上で守っておきたい原則
まずは中小型成長株投資をする上で守っておきたい原則を紹介します。長期的に投資を付き合う上では自分なりにルール設定をしておいたほうがよいです。
私が推奨する原則は以下の通りです。
- 主軸はあくまでインデックス投資
- 資金が少ない内は数銘柄へ集中投資
- 購入時の前提が崩れたらすぐに損切り
順番に解説していきます。
主軸はあくまでインデックス投資
まず大前提として、私は中小型成長株投資を万人には推奨していません。
再現性があり、誰でも時間をかければそれなりの資産を築けるのはインデックス投資だと思っています。
そして、チャールズ・エリスさんの著書「敗者のゲーム」でも著者が述べているように、長期的にみて市場平均に勝てる個人投資家はほんの一握りしかいません。
よって私も主軸はインデックス投資です。
ただ、すべてインデックス投資だと退屈ですし、中小型成長株投資には夢があります。株式投資にある程度楽しさを求めてもいいじゃないか、ということで中小型成長株への投資も楽しんでいます。
そして中小型成長株投資は、仮にそれなりの資金を投下した銘柄が5倍、10倍になれば、人生を大きく変えるかもしれない力があるのもまた事実なのです。
インデックス投資を主軸にしつつも、一部の資金で中小型成長株に投資をして夢を求める。
これが中小型成長株投資と付き合う良い距離感だと思っています。
資金が少ない内は数銘柄へ集中投資
高配当株投資の場合は、いったん買った株は基本的には売らずにホールドするため、それなりの分散投資を推奨していますが、中小型成長株投資は必要以上の分散は不要です。
特に資金が少ない内は、分散しすぎると、せっかく株価が大きく上昇してもあまり資産は増えません。せっかく夢を求める投資枠なのに、分散によって当たった時の果実が少なくなるのはもったいないですね。
私の場合、中小型成長株へ振り向けると決めた資金を、これだと思う数銘柄へ集中投資します。本当に資金が少なければ、本当に自信のある1~3銘柄ぐらいで十分です。
これも主軸がインデックス投資だからこそできる方法で、さすがに私もすべての投資資金を数銘柄に集中投資するのは無理です・・・。あくまで中小型成長株へ振り当てた投資資金の範囲の話です。
購入時の前提が崩れたらすぐに損切り
中小型成長株投資と付き合う上ではこれが一番重要で、絶対守らなければいけない鉄則です。
自分がその銘柄を購入したのには理由があるはずです。その前提が崩れたら絶対に損切り(もしくは利確)してください。
発売される新サービスに期待してその株を買ったのなら、そのサービスが発売されても思うように売り上げが伸びないならばいったん損切りですし、毎年売り上げが伸びていることを好感してその株をかったのなら、急な本業の不振で売り上げが落ち込んだらいったん損切りです。
損切りできずに大きな資金が塩漬けになる、これは成長株への投資で一番やってはいけない愚行です。
特に中小型株の場合、一度何か問題が起きて下落した株はもう二度と浮上しないケースも多いです。二度と浮上しない株に資金が塩漬けになると、実損はもちろん、その後の機会損失は計り知れません。
損切りの徹底、これが守れないならば中小型成長株への投資はするべきではありません。
私が中小型成長株を買う時にチェックするポイント
中小型成長株投資をする上で守っておきたい原則を解説したところで、いよいよ本題、私が中小型成長株を選定する際に気を付けていることは以下の通りです。
必ずしも以下のすべてが当てはまる銘柄である必要はありませんし、各銘柄によって臨機応変の対応となりますが、私はあくまでこんな所を見ている、ということです。
- 売り上げ、営業利益、純利益が成長している
- 営業利益率が高い
- 継続してROEが高い
- 自己資本比率が低すぎない
- PERが高すぎない
- その会社のビジネスの将来に期待できる
順番に解説していきます。
売り上げ、営業利益、純利益が成長している
成長株への投資ですから、売り上げ、営業利益、純利益が成長していることが大きな前提です。
特に売り上げがしっかりと伸びていることは非常に大切で、経験上、売り上げがしっかり伸びていない企業はいくら利益が伸びてもその後成長は止まります。
企業の成長はトップライン、すなわち売り上げが伸びてこそです。
そして売り上げの成長率も、厳密なラインはないものの、年率で10~20%程度は成長していてほしいです。
逆に、営業利益、純利益が多少横ばいでも、売り上げが順調に伸びていれば、その後は利益も付いてくることが多いです。
会社四季報を見ると、過去5年分の売上高、営業利益、純利益の推移が確認できますので、売り上げ、営業利益、純利益が継続的に伸びているかを確認しましょう。
営業利益率が高い
成長株を選ぶ上では営業利益率も大切です。
営業利益率は売上高に対する営業利益の割合で、売上高が10億円、営業利益が1億円であれば営業利益率は10%です。
営業利益率の高い会社は自社のビジネスが非常に強いです。
競合がいなかったり、参入障壁が高かったり、他社が真似できないすばらしい技術を持っているからこそ、強気の価格設定ができるのです。
逆に営業利益率の低い会社は、過当競争の分野だったり、すぐに他社に真似をされる商品だったり、構造的に利益の出にくい分野だったりと、価格を上げることが出来ない理由を抱えています。
ただ成長株の場合、先行投資の費用がかさんで売り上げが伸びているにもかかわらず営業利益がそこまで伸びないケースもあるので、必ずしも単年で営業利益率が低かったから投資してはダメかというとそんなこともありません。
継続してROEが高い
ROE(自己資本利益率)は「Return On Equity」の略で、伝説の投資家ウォーレン・バフェットが注目している指標ですね。
一言で言うと、会社の自己資本に対してどれだけ利益を上げているか、という指標で、成長株を探す上ではとても重要だと考えています。
計算式は以下の通りです。
ROE=(親会社株主に帰属する)当期純利益÷自己資本
自己資本とは、企業の資産から負債を引いた純資産のことです。(厳密には違いますが、ここではほぼ同じものと思って良いです。)
例えば、以下二つの企業がありました。
企業 | 当期純利益 |
---|---|
A社 | 10億円 |
B社 | 1億円 |
一見、A社のほうが優れているように見えますが、本当にそうでしょうか。
では各企業が持っている自己資本額を追記してみましょう。
企業 | 自己資本 | 当期純利益 |
---|---|---|
A社 | 200億円 | 10億円 |
B社 | 10億円 | 1億円 |
A社は200億円持っていて純利益が10億円、B社は10億円もっていて純利益が1億円です。
先ほどのROEの計算式にこれらの数値を当てはめてみると以下のようになります。
企業 | 自己資本 | 当期純利益 | ROE |
---|---|---|---|
A社 | 200億円 | 10億円 | 5% |
B社 | 10億円 | 1億円 | 10% |
よって、B社のほうが自分の会社の資本を上手に使って効率的に利益を上げることが出来ている、ということになります。
そして、企業が上げた純利益は当然企業の自己資本としてストックされます。
よって、次の年も純利益が前年と同じだった場合、ROEは下がってしまいます。
例えば上記B社の今年と来年の純利益が同じ1億円だったとします。
年 | 自己資本 | 純利益 | ROE |
---|---|---|---|
今年 | 10億円 | 1億円 | 10% |
来年 | 11億円 | 1億円 | 9.1% |
よってROEを同じに保つためには、B社は来年の純利益を1.1億円に上げなければいけません。
ROEが継続して高い企業というのは、自己資本を上手く活用し、効率的な経営が出来ており、結果的に株価も上がりやすくなります。
成長株の場合、ROEは最低でも10%以上、できれば15~20%程度あれば望ましいと思います。
自己資本比率が低すぎない
先ほどROEが高い企業が良いと言いましたが、ROEは自己資本に対して、企業の負債が多いと高くなりやすい傾向があります。
そこで、この自己資本比率は確認しておきましょう。
自己資本比率は簡単に言うと、総資本に対する自己資本の割合のことです。
以下の二つの企業の貸借対照表を見比べて見ましょう。
企業Aは総資本が10億円に対して自己資本が5億円、企業Bは総資本が20億円に対して自己資本が同じく5億円です。
企業Aの自己資本比率は50%、企業Bの自己資本比率は25%となります。
どちらの会社も持っている自己資本は5億円ですが、財務状況が安定しているのは企業Aになります。
自己資本比率が小さいということは、やっているビジネスの大きさに対して、もっている資本が少ないということ。
よって企業の財務状況は不安定ということになります。
自己資本比率は業種によっても異なりますが、ざっくり目安をいうと、30%以上あればとりあえずは安全と言えます。
逆に自己資本比率がそれ以下の会社は、財務状況が不安定な可能性があることは認識しておきましょう。
PERが高すぎない
いくら成長著しい銘柄でも、株価がすでに割高だと投資妙味は少ないかもしれません。
そして株価の割高、割安を示す指標に、PER(株価収益率)があります。
PER(株価収益率)とは、株価が1株当たりの純利益の何倍まで買われているかを見る投資指標で、株価の割高、割安を判断するために使用されます。
例えば、1株当たりの年間純利益が1万円、現在の株価が20万円の場合、1万円の純利益を20年間稼ぎ続ければ今の株価になるので、この場合のPERは20倍です。
中小型成長株で、売り上げ、営業利益も伸びていてROEも高い、そんな会社は将来の成長までが株価にすでに織り込まれている場合があります。
例えば、2020年のコロナショック後にマザーズの中小型成長株に資金が集まった時期がありましたが、それこそ注目されていた株はPERが500倍とかまで買われていた会社がありました。
現状年間1億円しか利益が出せていない会社の価値が500億円ということです。
もしこの会社がみんなが想定していた通りに成長しなかったら株価はどうなるか、考えただけでも恐ろしいです。
私はいくら成長株でも、PERが著しく高い銘柄には手を出しません。
その会社のビジネスの将来に期待できる
成長株への投資の場合、なんだかんだ言っても最後はこれが一番重要です。
自分がその会社のやっているビジネスの将来に期待が持てるかどうか。
いくら目先の数字が良くても、自分がこの会社のビジネスは将来性がない、と思えばその会社には投資しないほうが良いです。
会社は四半期ごとに決算短信を出しますが、同時に投資家に分かりやすいように決算説明資料を準備してくれる場合が多いです。
そこに、自社は今後どうやって成長していくつもりなのか、といったことが必ず書かれていますので、そのビジョンに共感できることがとても大切です。
私も投資しようとする会社のビジョンは必ず見ますし、投資したいと思った会社はビジョンを見るととてもワクワクするものです。
中小型成長株投資のよくある疑問点
以上私が中小型成長株に投資をする際に注意することについて解説してきましたが、ここからは中小型成長株投資をするにあたってよくある質問に回答します。
質問内容は以下の通り。
- 大型成長株は駄目なのか
- 利確のタイミングはどうしているか
- おすすめの証券会社
順番に解説していきます。
大型成長株は駄目なのか
上記の条件に当てはまる会社があれば大型株でも問題はありませんが、日本の大型株では、中々大きな成長が期待できる銘柄が少ないのが現状です。
大型株はメイン売買が機関投資家になるので、株価が割安に放置されている可能性が非常に低く、基本的には現在の株価が適正価格になっていると考えています。
そしてすでに市場で多くのシェアを取っているため、そこから5倍、10倍を狙うのは困難になります。
一方中小型株は機関投資家が入っていないので、株価が割安に放置されるケースが大型株に比べて多く、また売り上げ規模が小さいのでそこから売り上げが5倍、10倍に伸びるポテンシャルも大型株に比べて大きいです。
利確のタイミングはどうしているか
自分が投資をした銘柄が予想通り成長し、ある程度含み益が出たとして、いつ利確するのかですが、これには答えはありません。
基本的には成長が続いている限り持ち続けても良いですが、PERが割高だと思える水準まで買われたり、ある程度自分が納得した利益が出たらあとは好きなタイミングで利確すればよいと思います。
タイミングが難しいならば、いくらになったら何%売る、とかを決めて機械的に売っていってもいいと思います。
注意点はせっかく買った株なので、少し上がったぐらいで利確を焦らないことです。
5倍、10倍を狙うつもりで買ったのならば腰を据えてホールドし続けるのも大切です。
おすすめの証券会社
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
中小型成長株の魅力はなんといっても、その爆発力!
そしてインデックス投資を主軸にしながらも、中小型成長株投資を組み合わせることによって、インデックス投資では長期的な資産形成を、そして中小型成長株投資では一発逆転の大きな利益を狙って楽しく投資を継続することができます。
もしある程度の資金を入れた銘柄が大きく成長すれば、人生の選択肢が広がるといったポテンシャルもある一方、ある程度リスクが高い投資になるため、あくまで株式投資を楽しむためのサブ的な位置づけにしましょう。
私も来年以降、成長投資枠の一部では中小型成長株投資を続けていきます。
皆さんも中小型成長株投資を織り交ぜて、適度に株式投資を楽しんでいきましょう。
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