高配当株の選び方 高配当株投資の原則や銘柄選定の際のポイント、疑問点も

ロレンシャンです。

最近は高配当株に注目が集まっており、書店に行くと高配当株の本が多く並んでいますね。

高配当株はその名前の通り、配当利回りが高い株式のことを指します。

私はこれまで、長期の資産形成にはインデックス投資が最適解だということを述べてきていますが、インデックス投資はいざお金を使いたい時に取り崩しを躊躇しやすい、というデメリットがあり、それを補完する目的で高配当株の購入も推奨しています。

インデックス投資+高配当株投資の組み合わせで、資産を増やしながら配当金を使って人生の充実度を高める。

個人的にはこのバランス感覚が好きですし、私も株式投資で言うと、インデックス投資を主軸にしながらも、中小型成長株や高配当株も買って自分なりの資産形成を楽しんでいます。

ただ、高配当株投資は幾多もの銘柄の中から自分で銘柄を選定する必要があり、当然その中には「選んではいけない銘柄」が存在します。

そこで今回は私が高配当株投資をする上で守っている原則、私が高配当株を選ぶ際にチェックしているポイント、そして高配当株投資によくある疑問点について解説していきます。

目次

高配当株投資をする上で守っておきたい原則

まずは高配当株投資をする上で守っておきたい原則を紹介します。長期的に投資を付き合う上では自分なりにルール設定をしておいたほうがよいです。

私が推奨する原則は以下の通りです。

  • 主軸はあくまでインデックス投資
  • 一度買ったら基本的には持ち続ける
  • それなりの銘柄に分散投資する
  • 配当金は人生の充実度アップのために使う

順番に解説していきます。

主軸はあくまでインデックス投資

これは冒頭でも少し説明しましたが、高配当株投資を主軸にするのはやめたほうが良いです。

チャールズ・エリスさんの著書「敗者のゲーム」では、長期的にみて市場平均に勝てる個人投資家はほんの一握りしかいないと述べていますし、私も個別株投資でのこれまでのトータルの運用リターンはインデックスには勝てていません。

プロの投資家でも15年単位で見ると9割が市場平均には勝てておらず、私たち一般の個人投資家が市場平均に勝つのはもう無理だと思うぐらいがちょうど良いです。

そうなると長期的には市場平均と同等のパフォーマンスを出せるインデックス投資を主軸に置くのが万人にとってのベターとなります。

主軸はあくまでインデックス投資。

投資するインデックスファンドについては、全世界の株式に分散投資出来る、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)辺りが良いと思いますので、興味があれば以下記事を参照ください。

主軸のインデックス投資で長期的な資産形成をして、一部の資金で高配当株を買って配当金を使って人生を楽しむ。

これが「増やす」と「使う」のバランスが取れた投資だと思います。

一度買ったら基本的には持ち続ける

高配当株投資は配当金、すなわちインカムゲインを貰うことを目的とした投資なので、一度買ったら基本的には売らずに持ち続け、年々増配していく配当金を楽しむのが正解です。

日経平均株価が好調な時、株価が少し上昇したからといってせっかく買った高配当株を売ってします人がいますが、それは当初の目的とズレていますね。

“基本的には”と記載したのは、例外として当初買った理由の前提が崩れた時、例えば、

  • 不祥事を起こして企業の信用が無くなった
  • 経営方針の変更や想定外の業績悪化で将来性が無くなった

みたいなことが発生すれば、やむなく買った高配当株を売却するという判断にもなりえます。

決して短期的な市況の変化で株価が上がったから、株価が下がったから、といった理由で簡単に売ったりしないようにしてください。

それなりの銘柄に分散投資する

前項の通り、いくら買った当初は良い銘柄だと思っても、保有中にどんなことがあるか分かりません。

そこで、どうしてもある程度の分散投資は必要になってきます。

以前は100株単位でしか個別株に投資できず、単価が高い銘柄なんかは100万円以上の資金がないと投資できない、といった時代もありましたが、最近は1株単位で投資できる証券会社も増えてきており、資金が少なくても容易に分散投資が出来る環境が出来ています。

分散する銘柄数については投資可能額によって人それぞれで、ツイッターとかを拝見していると、私よりも少ない資金でも多くの銘柄に分散投資をしている人もいますが、私は自分がこれだと思った銘柄数銘柄の分散に留めています。

正解はありませんが、自分が出来る範囲で分散投資を心がけましょう。

配当金は人生の充実度アップのために使う

せっかく高配当株を買ったなら、配当金は人生の充実度アップのために積極的に使うのが良いと思います。

これはインデックス投資をメインにしているからこそ出来ることで、配当金は資産運用の果実の一部だからこそ、配当金はすべて使う、と割り切ることができますし、そう割り切ったのならば全部使ってしまいましょう。

配当金の良い所はすべて使っても良いこと。

源泉徴収ありであれば後から追加で税金を納めたりする必要はありませんし、不動産投資の家賃のように後から修繕費のために残して置かなければいけない、という心配がありません。

本当に全部使ってしまっても良い、こんなお金があると人生が充実します。

配当金が入ったらおいしいお寿司や焼き肉を食べに行こう、配当金が入ったら旅行に行こう、と定期的な配当金を楽しみにして日々を過ごすこともできます。

私が高配当株を買う時にチェックするポイント

高配当株投資の守っておきたい原則を解説したところで、いよいよ本題、私が高配当株を選定する際に気を付けていることは以下の通りです。

必ずしも以下のすべてが当てはまる銘柄である必要はありませんし、各銘柄によって臨機応変の対応となりますが、私はあくまでこんな所を見ている、ということです。

  • 売り上げ、営業利益、純利益が成長している
  • 営業利益率が高い
  • 連続して増配をしている
  • 配当性向が高すぎない
  • フリーキャッシュフローが安定して潤沢
  • PERに割高感がない
  • 会社の評判が悪くない

順番に解説していきます。

売り上げ、営業利益、純利益が成長している

配当金目的とはいえ、将来の配当金の持続性を考えた時、やっぱり会社が成長していることが望ましいです。

理想は売上高、営業利益、純利益が少しずつでもよいので右肩上がりに成長している銘柄。

会社四季報を見ると、過去5年分の売上高、営業利益、純利益の推移が確認できますので、それが安定して増えているのか、横ばいなのか、逆に減っていたり赤字になっていたりと不安定なのかをチェックしましょう。

輸出関連銘柄など為替に影響を受けたり、景況に左右されやすい銘柄は売上高や営業利益が不安定になりやすしですし、通信関係銘柄など、毎月決まった金額を徴収できるストックビジネスの会社などはこれらが安定しやすい傾向があります。

営業利益率が高い

私は営業利益率にも注目しています。

営業利益率は売上高に対する営業利益の割合で、売上高が10億円、営業利益が1億円であれば営業利益率は10%です。

営業利益率の高い会社は自社のビジネスが非常に強いです。

競合がいなかったり、参入障壁が高かったり、他社が真似できないすばらしい技術を持っているからこそ、強気の価格設定ができるのです。

逆に営業利益率の低い会社は、過当競争の分野だったり、すぐに他社に真似をされる商品だったり、構造的に利益の出にくい分野だったりと、価格を上げることが出来ない理由を抱えています。

また営業利益率が低いと、市況によって少し売り上げが落ち込んだだけで赤字転落をしてしまうので、持続的に安定した配当を出すのが難しくなります。

あくまで目安ですが、営業利益率が安定して20%程度あればかなり競争力の高いビジネスを持つ会社といっても良いと思います。

連続して増配をしている

毎年連続して増配をしている銘柄はビジネスが強いことが多いです。

例えば下記は日本株の連続増配記録のランキングです。

順位銘柄連続増配年数
1花王33年
2リコーリース28年
3SPK25年
4小林製薬24年
4三菱HCキャピタル24年
2023年8月現在

日本株の最長増配記録は皆さんおなじみの花王で33年連続増配ですが、米国株に目を向けると50年以上連続で増配している銘柄がゴロゴロあります。

何十年も連続で増配できるということは会社も一緒に成長してきている証ですし、株主還元に力を入れているという意思表示でもあると思っています。

当然簡単には減配しませんし、これらの企業は増配を維持するために必死になります。

ただ、これまで連続して増配しているから、今後も必ず増配が続くかというとそれは違いますので、強いビジネスが継続し続けているかはチェックする必要があります。

配当性向が高すぎない

高配当株の特集では、良く配当利回りランキングが注目されますが、配当利回りだけを見て高配当株を買うのは危険です。

高配当株を見る時は配当利回りだけではなく、配当性向にも注目する必要があります。

配当性向とは、企業が年間で出した純利益に対していくらの配当金を支払ったか、という指標で、例えば企業の年間純利益が10億円で、その内3億円を株主への配当として支払った場合、配当性向は30%ということになります。

配当性向が高いということは、利益の多くを配当金として支払っているということで、すなわち利益が減れば配当金に回せるお金は無くなり、減配を余儀なくされる可能性が高いということです。

配当性向が100%を超えている企業もあり、この場合は利益以上のお金を配当として配っているということになり、これは会社の資産を取り崩して株主に分配している、ということです。

逆に配当性向が低ければ、将来の増配余地が多く残されているということでもありますので、長期的に安定した配当が望めます。

ただし、配当性向は業種によっても隔たりがあり、例えば30年以上前に開発した商品が今も主力として売れ続けている会社は、大きな設備投資が不要なので、いくら配当性向が高くても毎年安定して利益を配当金として還元できます。

一方、時代の移り変わりが激しい製品を販売し、毎年のように多額の設備投資を必要とする会社は、配当性向が低くても、設備投資費用が大きくなるので、少し製品競争力が落ちると業績が悪化して減配、という場合もあります。

よって必ずしも配当性向が低ければ良い、と決めつけが出来る訳ではありませんが、配当性向が高すぎる銘柄は注意が必要でしょう。

フリーキャッシュフローが安定して潤沢

キャッシュフローとは現金の流れのこと。

そしてフリーキャッシュフローとは、企業が自由に使えるお金のことで、将来の事業拡大や配当金の支払い、借金返済などへどれだけ予算が割けるかの重要な指標です。

計算式でいうと、

「フリーキャッシュフロー」=「営業活動によるキャッシュフロー」+「投資活動によるキャッシュフロー」

この営業活動によるキャッシュフロー、および投資活動によるキャッシュフローは会社四季報にも記載されています。

営業活動によるキャッシュフローは本業によって企業が得たキャッシュフローで、この数字がプラスであれば本業でしっかりと現金を稼ぎ出しているということです。

そして投資活動によるキャッシュフローは、企業が設備投資や株式取得といった投資活動で出入りしたキャッシュの流れで、例えば大型の設備投資をすればこの数字はマイナスになります。

本業でしっかり現金を稼げていなければフリーキャッシュフローは安定しませんし、毎年の設備投資に多額のお金がかかる会社も同じくフリーキャッシュフローは安定しません。

フリーキャッシュフローが安定している会社は、結果的に株主還元に力を入れることができるので、配当金も維持、安定がしやすくなります。

PERに割高感がない

いくら配当金が魅力的でも、その銘柄を割高な価格で買ってしまえば、将来の株価の下落によって損をする可能性が高まります。

そして株価の割高、割安を示す指標に、PER(株価収益率)があります。

PER(株価収益率)とは、株価が1株当たりの純利益の何倍まで買われているかを見る投資指標で、株価の割高、割安を判断するために使用されます。

例えば、1株当たりの年間純利益が1万円、現在の株価が20万円の場合、1万円の純利益を20年間稼ぎ続ければ今の株価になるので、この場合のPERは20倍です。

業種によって平均値が異なるため、すべてを横並びで比較できるわけではありませんが、投資の参考にはしています。

PERが過去の値と比べて高かったり、同業他社と比べて高ければ、すぐには手を出さずにしばらく様子を見たりします。

会社の評判が悪くない

これは感覚的なものになりますが、投資しようとしている会社の評判は気にしています。

いくら見た目の数字が良くても、製品の評価が悪い、顧客対応が悪い、社員の入れ替わりが激しい、などの情報はインターネットで調べればすぐに出てきますし、消費者から評判の悪い会社は長期的に見ると業績にもマイナスの影響が出てきます。

ただインターネットの情報は必ずしも正確ではないので、その辺は割り引いて考え、それでも看過できないような悪評が多いならば投資は見送ったほうが良いです。

高配当株投資のよくある疑問点

以上私が高配当株に投資をする際に注意することについて解説してきましたが、ここからは高配当株投資をするにあたってよくある疑問点に回答します。

内容は以下の通り。

  • 高配当株はNISAで買うのか特定口座で買うのか
  • 配当金を再投資し続けるのはどうなのか
  • 日本の高配当株ETFを買うのはどうなのか
  • おすすめの証券会社

順番に解説していきます。

高配当株はNISAで買うのか特定口座で買うのか

2023年以前に関しては一般NISAをやっている方は一般NISA枠を優先し、つみたてNISAをやっている方は、つみたてNISAではインデクスファンドを、高配当株は特定口座で投資をしましょう。

2024年以降の新NISAでは、成長投資枠として一人最大1,200万円、年間最大240万円分ありますから、その枠を使って投資をするのが良いと思います。

年間240万円の枠では足りない、もしくは1,200の投資枠を使い切ってしまったという方は特定口座での投資となります。

同時に付与される一人最大600万円、年間最大120万円つみたて投資枠については、素直に低コストインデックスファンドへ投資しましょう。

新NISAの成長投資枠での投資の場合、値上がり益、配当金共に非課税となります。

新NISAの仕組みについては以下記事にて詳しく解説していますので御覧頂ければと思います。

配当金を再投資し続けるのはどうなのか

まず配当金の再投資自体には合理性があります。

配当金を再投資し続けることで、複利効果が働き、資産を二次関数的に増やす効果が期待できるからです。

ただ、配当金を再投資するならば、最初から高配当株ではなくインデックスファンドを積み立てることを推奨します。

2024年以降の新NISAの場合、確かに配当金は非課税ですが、その配当金の再投資については別枠になってしまうので、インデックスファンドに比べて制度面で不利です。

成長投資枠が一人1,200万円と決まっている以上、配当金を別枠で再投資していくよりも、インデックスファンドを買って配当金を内部で再投資し、含み益としていったほうが有利ですね。

前述の通り、高配当株を買う分は人生の充実のために使っていくと割り切り、将来の資産形成をしていく分はインデックスファンドにするのがおすすめです。

日本の高配当株ETFを買うのはどうなのか

わざわざ自分で銘柄を選別するのは面倒なので、いっそ日本の高配当株を集めたETFを買うのが手っ取り早いのでは、という方もいると思います。

結論、私は推奨しません。

理由としては、これらのETFは大型株中心で、私が上記に示したチェックポイントの条件に全く当てはまっていない銘柄も多く含まれているからです。

また、全体的に景気敏感株と呼ばれる、景気の波に左右されやすい銘柄が多く、相場によって意外と大きく上下に振れます。

少なくとも、私は日本の高配当株ETFについて、今のところは長期的に安心してホールドできる商品ではないと感じています。

おすすめの証券会社

ネット証券の口座を開設するなら、私も使っている「SBI証券」がおすすめです。

  • 国内最大手で取引額No.1
  • 商品ラインナップネット証券トップクラス
  • 国内株式の売買手数料完全無料
  • 口座開設、口座管理手数料無料
  • 株式は1株から購入可能

初めての証券口座開設はもちろん、2つ目の口座として持っておいても損はありませんし、新NISAでの利用もおすすめです。

以下リンクより資料請求、口座開設可能なのでよろしければご利用下さい。

その他、おすすめのネット証券を以下にまとめてありますので、この機会に口座開設を検討ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

高配当株の魅力はなんといっても、定期的に口座に振り込まれてくる配当金。

そしてインデックス投資を主軸にしながらも、高配当株投資を組み合わせることによって、インデックス投資では長期的な資産形成を、そして高配当株投資では配当金で人生の充実度アップを、といった風に使い分けることで、楽しく投資を継続することができます。

しっかりと優良銘柄を適正な価格で選定、購入することができれば、毎年の配当金に加えて、年々増配によって配当金が増えていき、かつ含み益も出るという状況も期待でき、ますます投資が楽しくなりそうですね。

私も来年以降、新NISAの成長投資枠の一部で高配当株を買っていきます。

皆さんも高配当株投資で、是非人生を豊かにしていきましょう。

応援よろしくお願いします!

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この記事を書いた人

2023年7月にサイドFIRE達成!

現在38歳で元営業職。投資歴10年以上。

当ブログにて、再現性のあるサイドFIREへの道筋や私のサイドFIRE生活、投資関連情報ついて発信。現在せどりで事業所得構築奮闘中!

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