ロレンシャンです。
私はこの度サイドFIREを決断し、会社員としての生活もカウントダウンに入ります。
退職を決めたら気が楽になる、と思ったら大間違いで、退職前後はやるべきこと、やっておいた方が良いことが沢山あります。
今回は私自身の勉強の意味も込め、会社員を辞めてFIRE、セミリタイアする人が、退職前にやっておくべきことをまとめました。
退職を決めてから実際に退職をするまでの期間は最後の踏ん張りどころですが、会社員としての仕事も気を抜かず、一方ではしっかり退職の準備を進めていきましょう。
私生活でやるべきこと
まずは私生活においてやるべきこと、やっておいた方が良いことは以下の通りです。
- 家族や親族に説明をする
- クレジットカードを作成する
- (賃貸の場合)引っ越しをする
順番に解説します。
家族や親族に説明をする
FIRE、セミリタイアの考え方は最近日本でも広がりを見せてはいますが、それでも一般の世間にまで浸透しているかというとまだまだです。
特に年配の世代はまだまだ終身雇用が当たり前の時代を生きてきましたから、途中で仕事を辞めて自分で何かを始める、なんてとても受け入れられないような人も多いと思います。
ただ実際に仕事を辞める前に、少なくとも独身の場合は自分の親、結婚している場合は両家の親ぐらいまでには事前に一言報告はしておいた方が良いと思います。(各家庭の事情もありますのであくまで一般論です)
仕事を辞めた後に報告したり、隠し通してそれが明るみになったりすると、なぜそんな大切なことを事前に言わなかったのか、となる可能性もありますし、口には出さずとも不信感は持つでしょう。
ただしあくまで「相談」ではなく「報告」です。FIRE、セミリタイアを決めるのは親ではなく、あくまで自分自身(とその配偶者)です。
FIRE、セミリタイアの場合、これまで資産を積み上げてきたり、副業で事業所得を育ててきたのですから堂々と報告すればよいと思ってます。
クレジットカードを作成する
会社員、サラリーマンの信用は想像以上に大きく、今まで当たり前に出来たことが出来なくなる、それがFIRE生活の大きな欠点です。
クレジットカード作成もその代表格で、FIRE後は一般的には無職、個人事業主扱いとなりますので、サラリーマン時代と比べて確実に審査は通りずらくなります。
クレジットカードは年会費無料で、ポイント還元率の高いものや海外旅行の保険付きのものなど、FIRE、セミリタイア後の生活に必要と思うものを数枚は作っておくと良いと思います。
クレジットカードを申し込んでから発行されるまでに2週間~1ヵ月程度はかかるため、退職を決断したら余裕をもって申し込んでおきましょう。
FIRE、セミリタイアする前に私が作ったクレジットカードは以下記事を参照ください。
(賃貸の場合)引っ越しをする
持ち家の場合は特に気にする必要はありませんが、賃貸に住んでいる場合で退職後に住む場所を変えたい場合は退職前に引っ越しを済ませておきましょう。
社宅や社員寮に住んでいる場合は必ず引っ越しが発生しますので、辞める前に新しいアパート等に移ります。
賃貸物件を借りる際も、サラリーマンと無職とでは雲泥の差があり、収入が安定しているサラリーマンなら普通に借りれる物件も、無職だと借りれないケースも多いです。
難しいのはFIREを機に遠方へ引っ越す場合です。この場合、退職前に引っ越し先の不動産会社へ相談してみるのが良いでしょう。
また後述しますが、会社を辞めると住宅ローンが組みずらくなります。今後も当面賃貸でいくと決めているなら良いですが、家をローンで買いたいと思っている場合は、会社員を辞める前に買うのか、諦めるのかを決断しないといけません。
年金、社会保険関係でやるべきこと
次に年金、社会保険関係でやるべきこと、やっておいた方が良いことは以下の通りです。
- 国民年金の支払いについて決めておく
- 健康保険の切り替え先を決めておく
- 失業保険の受給について決めておく
順番に解説していきます。
国民年金の支払いについて決めておく
会社員や公務員を退職すると、これまで加入していた厚生年金から脱退しなければいけないため、自分で国民年金保険料を支払う必要が出てきます。
退職後14日以内に国民年金への切り替え手続きが必要となりますので忘れないようにしましょう。
FIRE、セミリタイアする人向けの国民年金については以下記事で詳しくまとめてあります。
国民年金の仕組み、注意点の他、国民年金の免除制度を使ったほうが良いのかや、国民年金の未納、IDeCoや国民年金基金についても触れています。
健康保険の切り替え先を決めておく
会社員や公務員を退職すると、これまで加入していた健康保険(健康保険組合、協会けんぽ、共済組合)からは脱退することになるので、新たな保険に入る必要があります。
FIRE、セミリタイアの場合、主に自営業者が入る国民健康保険に加入するか、家族の扶養に入るか、会社員時代に加入していた健康保険を任意継続するかを選択します。
国民健康保険へ切り替えをするか、任意継続するかは、会社員時代の年収や家族の有無で変わってきますので、別途シミュレーションしてみましょう。
FIRE、セミリタイアする人向けの国民健康保険(市町村国保)や任意継続については以下記事で詳しくまとめてあります。
失業保険の受給について決めておく
FIRE、セミリタイア後には失業保険が受給できる可能性があります。
受給条件については、自己都合退職か会社都合退職か、FIRE後に事業を始めるか始めないかなどの事情によって異なります。
FIRE、セミリタイアとは言え、失業保険を受給する権利はありますので、堂々と受給すれば良いと思います。これまで保険料をしっかり支払ってきたのですから。
FIRE、セミリタイア後の失業保険については詳しくは下記の記事でまとめてありますので参考にして下さい。
会社関係でやるべきこと
次に会社関係でやるべきこと、やっておいた方が良いことは以下の通りです。
- 就業規則を確認しておく
- 直属の上司に退職の意思を伝える
- 有給休暇の消化を考慮して退職日を決める
- 引継ぎをしっかり行う
- 必要書類を受け取る
順番に解説していきます。
就業規則を確認しておく
まず下準備として就業規則を確認しておきます。
就業規則の中には、「退職は〇日前までに意思表示すること」といった規定がある場合があります。
民法上は退職2週間前の通知でも問題なく、就業規則よりも法律が優先されることは事実ですが、円満退社を希望する場合、就業規則はしっかり守りましょう。
その他、ボーナスの支給条件等の記載がある場合もあります。○月〇日に在職していた人に賞与を支給する、となっている場合、ボーナスを支給を受けてから退職するのも手です。
直属の上司に退職の意思を伝える
退職の意思を伝えるのは直属の上司です。中の良い同僚や人事担当者ではありません。順番は必ず守りましょう。
退職の意思を伝えるタイミングとして、就業規則がある場合はそれよりも早く、なければ最低、退職希望日から逆算して1ヶ月~3ヶ月前ぐらいに伝えるのが目安です。
有給休暇を使い切る場合、それも考慮して早めに伝えます。例えば有給が20日程度残っているならば、2ヶ月前に伝え、1ヶ月を引き継ぎに、1ヶ月を有給消化に充てるといったイメージです。
また、退職の意思は「相談」ではなく「報告」です。
引き止めに合う可能性もありますが、会社に残る意思が無いことをはっきり伝えましょう。間違っても本当は残りたいとか、残ることも検討した、とか中途半端なことは言わないようにしましょう。
有給休暇の消化を考慮して退職日を決める
退職の意思を伝えたら、退職日を確定させます。
退職日は月末が基本です。
月末退職だと、その月の社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)を給与天引きで引かれることになりますが、もしも月末以外の退職だった場合、その月の社会保険料は自分で納付する必要があります。
会社員の場合、厚生年金保険料や健康保険料は50%が会社負担となりますから、月末退職のほうが絶対にお得ですね。
月末を退職日とする場合、残った有給休暇分をすべて使うことを前提に逆算し、最終出社日が確定します。
直属の上司には、退職日から逆算した最終出社日は大体この日になります、と予め説明しておきましょう。直属の上司が知りたいのは退職日ではなく最終出社日だからです。
引継ぎをしっかり行う
「飛ぶ鳥後を濁さず」
円満退社をするならば引き継ぎの手抜きは厳禁です。
自分で完結できる仕事は完結させ、時期的やタイミング的に完結が難しい仕事は、仕事の進捗状況をまとめ、後任がスムーズに仕事が出来るようにしておきます。自分の使っていたフォルダや資料も見やすいように整理しましょう。
営業など社外の人との繋がりがある人は、退職の挨拶、後任への引継ぎをしっかり行います。
社内、社外問わず、会社を退職したらこれまでの仲間と完全にお別れ、という訳ではありません。いくらFIRE、セミリタイアとはいえ、狭い世の中、今後どこで会うか分かりません。
終わりよければすべて良し、という言葉があります。そのままの意味ですが、逆に終わりが悪いとこれまでの頑張りも台無しです。
素敵なFIRE、セミリタイア生活を実現するための「最後の大仕事」、しっかりと後任にバトンを渡しましょう。
必要書類を受け取る
引継ぎが終わったら会社から借りている備品(社員証、パソコン、名刺など)をすべて返却します。
そして退職時には会社から受け取る必要のあるものが沢山ありますので漏れなく受け取っておきましょう。
源泉徴収票
FIRE、セミリタイアした場合は自分で確定申告をする必要があります。
確定申告の際に自分の所得を把握するために必要となります。
雇用保険被保険者証
雇用保険の被保険者であることを証明する書類です。
FIRE、セミリタイア後は失業保険を受け取る際に必要になります。
離職票
FIRE、セミリタイア後に失業保険を受け取る際に必要になります。
会社で退職が決まった後、会社の担当者がハローワークに雇用保険の被保険者資格喪失に関わる手続きを行い、ハローワークから会社の担当者に交付されます。
書類発行まで時間がかかるので、後日郵送になるケースもあります。
退職証明書
希望すれば発行してもらうことができます。
使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金、退職の理由等を労働者が請求してそれを記載してもらうことができます。請求しない項目は記載されません。
自分で年金や健康保険の手続きをする時、厚生年金や健康保険の資格を喪失した日を証明する必要があるため、受け取っておくとスムーズです。
(番外編)住宅を購入する、不動産投資をする
会社員の大きなメリットは社会的信用力があるということは前述の通りですが、銀行から融資を受ける場合もこの社会的信用力は非常に大切です。
特に銀行は給与収入のような安定した収入を好む傾向にあり、FIRE、セミリタイアをした場合、住宅ローンを組んで住宅を購入すること、アパートローンを組んで不動産投資をすることは非常に難しくなります。
今後事業所得などで実績を積んだり現金を多めに入れたりすれば、絶対に借りられない、ということは無いと思いますが、FIRE、セミリタイア後当面は住宅の購入が難しくなることは間違えなく、人生の選択肢は狭まることになることは覚悟する必要があります。
不動産投資については、最近は年収500万円以上等の区切りを設けている銀行も多く、ハードルが上がっているだけに、FIRE、セミリタイアをすると新規参入はもちろん、既に保有している人も規模拡大は当面出来ないと思ったほうが良いです。
住宅を購入したい、不動産投資をやりたい、という人は会社員の間にそのメリットを生かして買っておいた方が良いです。
まとめ
FIRE、セミリタイア前にやることをまとめましたが、社会保険関係の手続きなど普段の会社員生活ではあまりなじみのないことを決めなければいけなかったり、家族や会社へ説明したりと、非日常の出来事が数多く降りかかってきますので、決してのんびり退職を待つ、といった感じではありません。
ましてや、FIRE、セミリタイアの場合、まだ会社からは「貴重な戦力」と見られていることが多いと思いますので、退職を伝達するまでは普通に多くの仕事を抱えているでしょうし、伝達後も仕事の引継ぎや挨拶周りにバタバタすることになるでしょう。
とはいえ、せっかくFIRE、セミリタイアという重いを決断したのですから、最後のひと踏ん張りだと思ってしっかり準備を行い、後から会社員の内に○○をやっておけば良かったといった後悔のないようにしましょう。
そして最終出社日、これまで働いた同僚や先輩から気持ちよく見送られながら、晴れ晴れした気持ちで会社の門を潜りたいですね。
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