こんな悩みを解決!
- リーンFIREのメリット、デメリットが知りたい
- リーンFIRE達成にはいくら必要か知りたい
- リーンFIRE達成時の注意点について知りたい
ロレンシャンです。
FIRE(Financial Independence Retire Early)希望者が年々増加している中、比較的達成が容易なのがリーンFIRE(LeanFIRE)です。
リーンFIREは、リタイア後に働かないFIREの一つで、多額の資産を貯めるのは難しいけどもう仕事はしたくない、という方が目指すFIREとなります。
その他、それぞれのFIREについては以下記事で詳しく記載しています。
リーンFIREは直訳すると「無駄がない、効率的な」という意味のFIREで、最低限の基礎生活費を資産所得からまかない、ゆとり費は極限まで抑えます。
基礎生活費についても、節約に磨きをかけて抑える所は徹底的に抑えます。イメージ的には田舎で畑を持って自給自足の生活をしたり、ミニマリストのように余計なものを一切持たないような感じです。
刺さる人には刺さるリーンFIREですが、今回はリーンFIREのメリット、デメリットとリーンFIREを達成するために必要な資産額、そして達成時の注意点などを解説していきたいと思います。
リーンFIREのメリット
まずはリーンFIREのメリットを見ていきます。
結論は以下の通りです。
- 自由を謳歌できる
- 比較的若くして達成できる
- 自分らしい生き方を見つけることができる
順番に解説していきます。
自由を謳歌できる
リーンFIREのメリットの一つ目、それは何といっても完全な自由です。
リーンFIREの究極的な目的は「自由」であり、自由があれば他は何もいらない、お金よりも自由が優先、という人が目指すFIREといっても良いです。
田舎で自分で作った新鮮な野菜を食べて暮らす人たちがテレビなどで取り上げられることがありますが、少なからず憧れる人がいるのではないでしょうか。
もちろん金銭的な問題があるので、高級な店に行ったり、海外旅行に行ったり、といった贅沢は中々できなくなるかもしれませんが、それも価値観の問題なので不要だと感じる人には不要でしょう。
本当の贅沢はお金では買えない、お金がなくても精神的な贅沢は十分にできる、こんな価値観を持っている人ならばきっと楽しく暮らしていくことはできそうです。
自由があれば何もいらないという人には適してますね
比較的若くして達成できる
リーンFIREのメリット二つ目は比較的若くして達成できること。
自由といっても、年老いてから達成するよりは若くして達成したい。誰しもが思うことですが、リーンFIREはこれを可能にします。
同じく労働をしないで贅沢をして暮らすファットFIREと比較すると、達成できる資産額は遥かに小さくて済むので、年収がある程度高ければそれなりに若くして達成することができます。
「DIE WITH ZERO」でお金の価値を最大化できる年齢は26歳~35歳である、という記述があり、私もこの本を読んだ時は衝撃を受けましたが、私はお金だけでなく、自由の価値を最大化できるのも似たような年齢だと思います。
若ければ若いほど自由の価値は高い、私はそう思いますが、リーンFIREはこの要求を満たす手段としては理にかなっています。
若い時の自由ほど価値が高いです
自分らしい生き方を見つけることができる
リーンFIREメリット三つ目、それは世間で一般的に当たり前と言われている価値観から一線を介し、自分らしい生き方、価値観を造成できることです。
リーンFIREは基礎生活費を極力を抑えますので、要らないものは捨てるといった「断捨離」の考え方が身に付きます。
逆に言うと、自分が本当に必要なものだけを残す、自分らしい価値観の中で生きることができるということです。
もちろん、物理的な「もの」だけではなく、自分には必要のない情報、自分には必要のない交友関係なども含みます。
ただこれは一歩間違えると、情報感度が低くなって時代に取り残されたり、後述する交友関係の希薄化にも繋がりますので、やりすぎには注意です。
自分が本当に大切なものが洗い出されますね
リーンFIREのデメリット
次にリーンFIREのデメリットを見ていきます。
結論は以下の通りです。
- 倹約生活が続く
- お金に対する不安が付きまとう
- 交友関係が希薄になる可能性がある
- いざという時の社会復帰が難しい
順番に解説していきます。
倹約生活が続く
リーンFIREのデメリット一つ目は倹約生活がずっと続くことです。
達成時の資産が少ない代わりに、ゆとり費の余裕はほとんどありませんので、いざ少し贅沢をしたいとなっても金銭的に躊躇してしまうでしょう。
質素に暮らす、響きはとても良いですが、耐えられない人には耐えられません。
特に最新のものが好き、旅行が好き、おいしいものをたくさん食べたい、といった欲望多き人にとっては少しつらいかもしれません。
また、車は無い、電車もなるべく乗らない、などといった物理的な不便さも伴ってくると思います。
ちなみに私も旅行や食事には割と欲望が強く、これらが全く満たせないとなると少し目指す先にはなり得ないかな、といった感じです。
質素に暮らすのは以外と大変です
お金に対する不安が付きまとう
リーンFIREのデメリット二つ目はお金に対する不安が続くことです。
いくら質素倹約に励もうと、最低限の固定費や食費、日用品、年金や社会保険料は必要ですし、それらを資産所得だけでまかなうので、お金の不安からは逃げられません。
皆さんご存じの通り、インデックスファンドや高配当株、国債、不動産、何でも共通していえますが、お金を生み出す資産というのは不安定かつリスクがある資産です。
2008年のリーマンショックのような出来事が発生すると、資産は半分になる可能性だってありますし、いざそうなった時に冷静でいられるかどうか、そのメンタルの強さが問われます。
持っている資産額にもよるかもしれませんが、私はおそらく無理です。
リーンFIREは意外に楽観的なメンタルが必要だったりします。
メンタル面が弱いと不安で眠れなくなりそう
交友関係が希薄になる可能性がある
質素倹約を第一に掲げると、どうしても交友関係は希薄になっていきます。
地方に移住したりした場合は知り合いを一から作っていく必要がある、といったこともありますが、根本的に人との交友はそれなりにお金がかかることが多いです。
似たような価値観の人との出会いがあればよいですが、一般的な価値観の人とは金銭感覚がズレていくため、どうしても交友を心から楽しめなくなる可能性があります。
ただこればかりは可能性の話なので、必ずしもそうなるとは限りません。
こればかりは人によりますがあくまで一般論です
いざという時の社会復帰が難しい
リーンFIREのデメリット四つ目はいざという時の社会復帰が難しいことです。
先ほどの金銭的な不安などの影響で、再就職を検討することになったとしても、空白期間が弊害となって良い仕事には就きにくくなるかもしれません。
もちろん、リーンFIREした直後は「自由」が最優先なのでもう仕事に就くことはない、と思っているかもしれませんが、資産所得だけで生活するという不安定な状態なので何が起こるかは分かりません。
リーンFIRE中も人的資本を強化するために自分の好きな資格の勉強をしたり、後述するサイドFIREへ移行したりするのが良いでしょう。
仕事を辞めても人的資本は重要です
リーンFIRE達成にはいくら必要?
ではリーンFIRE達成にはいくらぐらいの資産が必要なのでしょうか。
まず自分が年間いくらの生活費で生活できるかを知る必要があります。
参考までに、総務省が2022年に調査した、独身世帯、夫婦二人世帯、夫婦と子供二人世帯の平均月額家計支出の内訳を記しておきます。
分類 | 独身 | 夫婦二人 | 夫婦と子供二人 |
---|---|---|---|
食料 | ¥40,301 | ¥70,064 | ¥84,143 |
住居 | ¥32,314 | ¥18,922 | ¥18,411 |
光熱・水道 | ¥11,138 | ¥22,356 | ¥24,296 |
家具、家事用品 | ¥5,267 | ¥11,293 | ¥14,437 |
被服及び履物 | ¥6,714 | ¥7,145 | ¥12,480 |
保険医療 | ¥6,847 | ¥15,641 | ¥13,607 |
交通・通信 | ¥22,766 | ¥37,049 | ¥42,510 |
教育 | ¥0 | ¥14 | ¥30,816 |
教養娯楽 | ¥21,046 | ¥24,323 | ¥34,431 |
その他(交際費等) | ¥32,039 | ¥59,706 | ¥41,386 |
合計 | ¥178,434 | ¥266,514 | ¥316,517 |
これを年間支出額に直すと、
家族構成 | 年間支出 |
---|---|
独身 | ¥2,141,208 |
夫婦二人 | ¥3,198,168 |
夫婦と子供二人 | ¥3,798,204 |
こんな感じになります。
これはあくまで一般的な生活費なので、リーンFIREを達成する人はもっと少ない生活費を目指していると思います。
資産収入を計算する時には、一般的に「4%ルール」を適用することが多いです。
4%ルールは、1998年に米トリニティ大学のグループによって発表された資産運用に関する研究から導かれたもので、毎年資産の4%未満を切り崩して生活していれば、運用益を加味すると実質的に資産を減らさずに生活が出来るという考え方です。
世界の株価の年率成長率が約7%程度と考えると、インフレ率やある程度現金を持つ安全率を考慮しても、まあ理にかなった数値だとは思います。
例えば資産5,000万円の4%は200万円。5,000万円の資産があれば年間200万円の資産収入は確保できるね、ということになります。
この4%ルールから年間生活費別に必要資産を割り出してみました。
質素に暮らすことを前提としてリーンFIREなので、年間生活費は低めに設定しています。
年間生活費(基礎生活費+ゆとり費) | 必要な資産額 |
---|---|
100万円 | 2,000万円 |
150万円 | 3,750万円 |
200万円 | 5,000万円 |
250万円 | 6,250万円 |
300万円 | 7,500万円 |
ファットFIRE(世間一般に言われているFIRE)と比べるとかなり少ない金額で達成可能であることが分かりますね。
年間100万円で十分生活できる、という人は、2,000万円の資産でリーンFIRE達成です。
2,000万円であれば多少年収が低い会社員でも、固定費見直しとインデックス投資で十分に達成可能です。
リーンFIREを目指す場合の注意点と対策
ではリーンFIREを目指す場合の注意点と対策を見ていきましょう。
結論、注意点は以下の通りです。
- 勢いで会社を辞めずに入念に計算してから実行すること
- リーンFIRE中も自己研磨を続けること
順番に解説していきます。
勢いで会社を辞めずに入念に計算してから実行すること
リーンFIREは資産額が少なくて済むというメリットがある一方、想定よりも生活費がかかった時にすぐに生活が破綻してしまうリスクがあります。
例えば、これまで当たり前のように会社から得ていた福利厚生が受けられなくなることで、辞めてからは自己負担で対応する必要が出てきます。
- 会社の社員食堂
- 健康診断や薬品など、会社の健康保険組合が無償でサービスしてくれていたもの
- 交通費
- 様々な施設利用料
などが挙げられるでしょうか。
また、国民年金、国民健康保険、住民税などの支払いも、これまで給与天引きだったものが、自分で納付する必要があるため、注意が必要です。(所得が無ければ減免処置の適用も可)
自宅にいる時間が長くなると、水道光熱費もこれまでよりも高くなることも想定されます。
資金繰りがシビアだからこそ、辞めてから知ったといった漏れが無いよう、予め入念な計算をしておきましょう。
会社を辞めると新たに出ていく費用もあるので注意しましょう
リーンFIRE中も自己研磨を続けること
先ほども説明しましたが、万一生活が破綻しそうになった時、再就職の道を残して置くためにも、自分の好きな資格の勉強をしておくなど、ある程度の自己研磨は続けた方が良いと思います。
また、推奨はサイドFIREへの移行です。
空いた時間で自分のやってみたいことに取り組み、それである程度お金を稼ぐことができれば、生活は相当安定しますし、スキルアップにもつながってつぶしも利きます。
ファットFIRE、リーンFIREをした人の多くは結果的にサイドFIREへ移行していくという話もよく聞きます。
自分の好きなことをしてお金を稼ぐというのは、実は一番楽しいことなんですね。
常に自分を高めることは忘れないようにしたいですね
サイドFIREについては以下記事で詳しく述べています。
まとめ
ここまでリーンFIREについてをまとめてきました。
リーンFIREは仕事をしなくて良い、かつ達成が比較的容易のため、自由な時間に最大限に重点を置いている方にとっては理想的な生き方ではあります。
しかし、倹約生活を余儀なくされたり、金銭的な不安から解消されなかったり、人的資本が伸びなかったりといったデメリットも多いため、目指す際には本当に自分が求めているFIRE像なのかをよく考えてからにしましょう。
おすすめはサイドFIREへの移行です。
質素倹約、生活コストの大幅削減をしつつ、空いた時間で自分で稼ぐ力を鍛える。
安い生活費で暮らせる力と自分で稼ぐ力が合わされば怖いものはありません。
できるだけ早く会社を辞めて自由な生活をしたいという方は一度検討してみてください。
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