公務員のサイドFIREは可能なのか 副業禁止の詳細と対策についても解説!

こんな悩みを解決!

  • 公務員の副業禁止規定について知りたい
  • 公務員が出来るだけサイドFIREするための対策について知りたい

ロレンシャンです。

最近若者を中心にサイドFIRE希望者が増えていていますが、中には公務員の方でサイドFIREしたい、という方もいるかもしれません。

では公務員のサイドFIREは可能なのでしょうか。

サイドFIREは、基礎生活費は株式やインデックスファンドなどの資産所得でまかない、ゆとり費はサイドビジネスでまかなうという考え方です。

よって、完全なFIREに比べて資産額が少なくて済むのが大きなメリットである一方、勤め人の内にある程度サイドビジネスの目途を付けておく必要があります。

要は、副業をしてサイドビジネスを育てつつ資産形成をすることがサイドFIREの王道となりますが、公務員はこの副業が厳しく規制されているため、勤め人の間にサイドビジネスを構築することが難しいです。

よって結論、サイドFIREは可能ですが、副業禁止の規定によりかなりの制約があります。

今回は公務員の副業禁止の規定について、そして公務員がサイドFIREしたい場合の対策について解説していきます。

目次

公務員の副業禁止規定について

まずは公務員の副業禁止の規定についてです。

国家公務員、地方公務員の副業が禁止されているというのは以下の法律が元になっています。

国家公務員法第103条「私企業からの隔離」

職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。

国家公務員法第104条「他の事業又は事務の関与制限」

職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。

文部科学省「国家公務員法」

地方公務員法第38条「営利企業への従事等の制限」

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

法令リード「地方公務員法」

公務員の給与は私たちが支払う税金から拠出されており、国家、国民、市町村民のために働く「奉仕者」としての使命を担っています。

よって公務員は公務に全力を注ぐ必要があり、私企業での営利目的の活動は慎まなければいけないとされ、必然的に副業も禁止となっています。

民間企業でも従業員規定で「副業禁止」と書いてある会社も一部ありますが、民間企業の従業員規定は一企業が勝手に決めた決まりであるため、仮に破っても何の罰則もありません。

一方公務員の場合は国家が定めた法律によって禁止されているため、破った時の重みは民間企業とは全く異なります。

よく、公務員の副業もバレなければ大丈夫、という人がいますが、法律で禁止されている行為を「大丈夫」とはとても言えませんので、公務員は基本的に副業をやってはいけない、この原則に抗うことはできません。

ただし、すべての副業が完全に禁止かというとそんなことはなく、例外的に認められているものもあったり、所轄庁の許可を得れば可能なものはあります。

区分条件
株式投資、FX、仮想通貨可能だが利益が出たら確定申告が必要
不動産投資家賃収入を得る目的の不動産賃貸業ならば可能だが家賃収入500万円未満に限る
講演、執筆活動職務に影響を与えない範囲であれば可能だが許可が必要
農業自給目的に限り可能(規模によって許可が必要)
家業の手伝い可能だが念のため許可をもらったほうが良い
参照:スタディング「公務員は副業ができる?規定と解禁の動きについて」

一部の地方自治体では副業解禁の動きもありますが、NPO団体での活動に限られるなど非常に限定的で、おそらく当面は完全に副業が解禁されるようなことは考えずらいです。

上記より、公務員が副業を行うことに対して非常に厳しい環境にあることはお分かり頂けるかと思います。

公務員の年収と安定性は優れている

公務員がサイドFIREするとなると、基本的には給料をコツコツ投資し、資産運用によって資産を増やしてサイドFIREの原資を作っていくことになります。

FIREまでの資産運用の基本的な考え方は以下記事でまとめてありますので、資産運用をまだやっていないという方は参考にしてみて下さい。

公務員の給料については、まずは人事院の「令和4年国家公務員給与等実態調査の結果」を元に公務員の年代別の平均年収を見てみます。

年代平均年収
国家公務員全体677万
地方公務員全体630万
20代平均300万~450万
30代平均500万~600万
40代平均650万~800万
50代平均800万~900万
参照:生涯学習のユーキャン「公務員の年収・給与はいくら?」

公務員の給与は年功序列なので、年齢が上がれば上がるほど給料が高く、逆に年齢が若い内は給料はそんなに高くはありません。

そして民間企業と比較すると、若くして出世することは少なく、大きく給料が上がることもないため、よくいえば安定していますが、悪くいえば若い内に高い給与を得ることはできません。

さらに前項の通り副業が禁止されていますから、若い時期に大きな資産を形成するのは比較的難しい職業と言えますね。

ただ、ベースの年収が民間企業に比べて高い他、公務員宿舎を格安で利用出来たり、地元で実家から通えたり、また公務員同士で結婚することで世帯収入を高くするなどの条件を満たせば、かなり速いペースで資産を築いていくことはできます。

退職後にサイドビジネスを一から育てるのはリスクが高い

とはいえ、サイドFIREをする上での問題はやはり副業禁止の規定です。

副業ができないということは、退職後にサイドビジネスを一から育てるということで、これは比較的リスクが高いやり方です。

サイドビジネスとはいえ立派な事業ですから、やってみないと分からないことは沢山あり、例えば私がそうでしたが、実際に「せどり」をやってみてから自分には合っていない、これは続けられない、と気が付くことも普通にあります。

退職後にサイドビジネスが思ったようにいかず、路頭に迷うという事態は絶対避けなければいけませんよね。

サイドFIREなので、最悪基礎生活費ぐらいは資産所得でまかなえる状態、とはいっても、あくまで理論上の話であり、退職後にサイドビジネスの収入が全く無い状況では非常に不安定な生活を強いられることになります。

結局、副業が全く育ってない状況では辞める前にかなり安全を見た金額を貯め込む必要があり、そうなるとサイドFIREは遠くなると言えます。

公務員とサイドFIREは相性が悪い

改めて、

  • 副業禁止
  • 年功序列の給与体系
  • 40代、50代の待遇が非常に良い

これらを総合すると公務員とサイドFIREは相性が悪いです。

副業ができないと若くして資産を大きく増やすことは難しいですし、仮にそれなりに資産形成が進んだとしても、まだ育ってもいないサイドビジネスの収入ありきで退職するのは非常にリスクが高いです。

そうなると在職中にかなり安全を見た資産形成が必要になり、一般的な公務員の給与水準を考えれば非常に時間がかかります。

また、リストラが無いという安定性、福利厚生、年功序列の給与体系を総合すると、公務員は40代、50代の待遇が非常に良いため、そこで公務員を辞めること自体がもったいないという感覚になり、行動に移せない可能性もあります。

世間一般的には非常に安定して待遇も良く、人気の高い公務員ですが、ことサイドFIREとなると少し事情が異なるのが現状だと思います。

公務員が出来るだけ早くサイドFIREしたい場合の対策

ではここからは、それでも公務員が出来るだけ早くサイドFIREしたい時の対策について解説していきます。

まず結論は以下の通りです。

  • 資産形成しながら許可を得て副業を始める
  • 資産形成しながら収益を目的とせずにビジネスの下地を作っておく
  • ある程度資産形成をしたら民間企業へ転職して副業を始める
  • 副業は諦めて余裕をもって資産形成をしておく

順番に解説していきます。

資産形成しながら許可を得て副業を始める

上記でも述べたように、公務員の副業については完全に禁止されているのではなく、許可があれば問題ありませんので、許可を得て副業を始めることについては何の心配もありません。

ただし副業の種類にもよりますが、許可を得ることが出来るかどうかは正直分かりませんし、職場で波風を立てなくなければこの方法はおすすめできません。

ちなみに、せどりやアフィリエイトなどの明らかな営利目的のビジネスは基本的に許可はおりません。

仮に相談するなら、直属の上司とかではなく、人事担当の聞きやすい人なんかに相談するのが良いのかもしれませんね。

資産形成しながら収益を目的とせずにビジネスの下地を作っておく

資産形成を進める一方、将来のビジネスの下地を作っておく方法は割とおすすめです。

例えば、X(ツイッター)やインスタグラムでフォロワーを増やしておく、ブログを開設して記事を書いておく等をやっておけば、いざ公務員を辞めた時に圧倒的なスタートダッシュが切れます。

参考までに私がサイドFIRE後の仕事としてなぜブログを選んだのかを以下記事にまとめてあります。

もちろん、アフィリエイトリンクを貼ったりアドセンスを貼ったりすることはできませんが、在職中にブログを成長させておくことはできます。

アフィリエイトやアドセンスについて、バレなければいい、絶対バレない、みたいなことを書いてあるサイトもありますが、バレなければ国家公務員法、地方公務員法という法律違反をしても良いということにはなりません。

また事業で利益を上げれば確定申告が必要です。絶対バレない保証なんかありませんね。

ある程度資産形成をしたら民間企業へ転職して副業を始める

公務員である程度資産形成が終わった段階で、サイドFIREに向けて一度民間企業へ転職するという手もあります。

公務員は普段からも営利目的で仕事をしていないため、職場でも、お金を稼ぐ、経費を節約する、みたいな風土が民間に比べて弱く、サイドFIREするに当たって一度民間企業を経験しておくことは悪くありません。

そして、民間企業に転職すれば堂々と副業ができますので、副業がある程度軌道に乗ったら会社を辞め、晴れてサイドFIRE生活をスタートさせることが出来ますし、副業が上手くいかなかったとしても、次の副業に挑戦しながらしばらく民間企業で商売を学ぶこともできます。

ただ、公務員から民間へ行く場合、行く職場を間違えると給与面、待遇面の悪化も懸念されるため、必ず転職エージェントに相談し、自分の希望の職場環境を伝えた上で良い職場を紹介してもらうのが良いと思います。

また同じ理由から、時間がかかってもある程度の資産形成は公務員の内に済ませておく方が、いざという時より安心です。

副業は諦めて余裕をもって資産形成をしておく

もう煩わしい副業は一切諦め、余裕をもって資産形成をする、仕方がありませんがこれもありです。

ただし親の財産とかが無いとすれば、サイドFIREにはある程度時間がかかることは覚悟しましょう。

サイドFIREをするタイミングですが、まったくサイドビジネスの下地もない場合は、公務員を辞めた後しばらく収入が無くても全く問題ないぐらいに多めに資産を作った上でチャレンジしましょう。

資産所得から得られるのが基礎生活費だけ、とかだと、仮にサイドビジネスが全く稼げなかった時に非常に苦しいことになります。

まとめ

以上、公務員のサイドFIREについて解説してきましたが、公務員はサイドFIREには少し遠い、残念ながらこれは事実です。

公務員の副業はかなり厳しく制限されており、破った場合は法律違反として懲戒処分を受けることになるからです。(副業はバレない、みたいなサイトに騙されないようにしてください)

ただ、在職中に何もできないかというとそんなことことはなく、資産形成と共に非営利のSNSやブログでビジネスの下地を作っておくことはできますし、思い切って民間企業へ転職することもできます。

もちろん、本当にサイドFIREしたいのかを今一度考えなおし、公務員という安定的かつ社会的信用力も高い職業についたままで人生を楽しみ、あわよくばいつでもフルFIREできるぐらいまで資産形成を進める、というのも有力な選択肢です。

再度自分の価値観を整理し、それでもサイドFIREしたい、そう思うのであれば、自分の夢に向かって動き出しましょう。

サイドFIRE達成へのより具体的なステップは以下記事でまとめてありますのでよろしければ御覧ください。

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この記事を書いた人

2023年7月にサイドFIRE達成!

現在38歳で元営業職。投資歴10年以上。

当ブログにて、再現性のあるサイドFIREへの道筋や私のサイドFIRE生活、投資関連情報ついて発信。現在せどりで事業所得構築奮闘中!

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