ロレンシャンです。
FIREという言葉が日本でも広がりを見せる中、FIRE希望者(サイドFIRE希望者も含む)は年々増えていくのではと想像しています。
私もまだFIREという言葉が出てきていなかった2013年頃から早期退職を目指し、支出の最適化や資産運用を続けてきましたが、2023年にサイドFIREを決断するまでにとても長い時間がかかりました。
最近FIREムーブメントの概念を知り、これからFIREを目指していく人の多くは、FIREはしたいが現状は資産が余りなく、まだしばらくは時間がかかる、という状況だと思います。
そしてその中でも今の職場が苦痛でたまらない、という人は少なからずいるのではないでしょうか。
今回は、FIREまでにまだ時間がかかるが今の職場は苦痛、という人が取るべき選択肢について解説します。
FIRE前も含め、なるべく人生を充実させるために今から出来る行動をしていきましょう。
10年、20年は苦痛に過ごすには長すぎる
- 新卒で今の会社に入社して1年、2年目で資産は全くないけど、これからFIREを目指したい
- 今まで貯金をしてこなかったため資産はほとんどないが、これからFIREを目指したい
- 多額の住宅ローンがあるが、これからFIREを目指したい
- 専業主婦の妻と子供が二人いるがFIREを目指したい
FIRE(サイドFIRE含む)を目指し始め、資産形成はスタートしているものの、まだある程度先は長い、そう感じる瞬間は絶対にあります。
私も2013年頃には早期退職を希望していましたが、まだ当分時間はかかるだろうな、と感じていた時期がありました。
FIREまであと10年以上はかかるだろうな、と感じているにも関わらず今の職場が苦痛で仕方ない。結構精神的にはキツイ状況です。
ただ個人的には、どうせいつか会社を辞めるのだから、とそのまま10年以上をそこで「耐える」というのは絶対にやってはいけない選択肢だと思います。
いくら最終的に会社を辞めるつもりだとしても、その過程の10年、20年が苦行の道、というのは想像以上に苦しいですし、その10年、20年を「苦痛」として過ごすのは人生全体を後から振り返っても非常に勿体ないです。
10年、20年というのは、何かに意欲的に取り組んだ人と消極的に過ごした人とでは、取り返しのつかないぐらい大きな差になる年数です。
まだFIREまでしばらくかかるのであれば、その過程でもある程度楽しいと感じる、もしくは将来の自分にとって何か学びになる仕事をすることをお勧めします。
理想を言えば、仕事もある程度は充実しつつ気がついたらいつでもFIRE可能な状態になっていた、という状況がベストです。
今の職場の何が苦痛なのかをよく考えてみる
まず始めにやるべきことは今の職場の何が苦痛なのかを再度よく考えてみると良いです。
おそらく職場の不満は大体以下の何れか一つ、もしくは複数に該当すると思います。
- 仕事内容に興味が無い
- 職場の人間関係が悪い
- 年収が低い
- 残業、休日出勤が多い
- 職場が遠く通勤時間が長い
- そもそも人の下で働きたくない
順番に私なりに思う対策を解説していきます。
仕事内容に興味が無い
私は2009年から今の会社に14年間勤めていますが、まさにこの状態だったと思います。
私は元々理系で、工作機械に使う周辺機器関係(工作機械アタッチメント)を製造、販売するメーカーに就職し、技術部(設計部門)に配属されたのですが、入社時点から仕事内容に興味が無いことは薄々感じていました。
2013年に早期退職を目指すことを決めた時もそれは変わらず、特に興味が無い分野での設計部門の仕事は内容的に苦痛だったため、結局2017年に異動希望を出し営業部へ異動しました。
営業部になっても販売する製品自体に興味が無いことには変わりはないのですが、お金の流れや販売ノウハウ、商流、マーケティング、人とのコミュニケーション等を学ぶことができ、技術部にいた時よりは主体的に仕事に取り組めたのではないかと思っています。
自分が興味がある仕事、業界が明確であれば転職も選択肢だと思いますが、それが不明確で何となく今の仕事は興味がない、という場合、私のようにまずは社内で異動希望を検討し、仕事内容を変えてみるのが良いと思います。
異動希望が通らなかったり、異動後も状況が変わらなければ、自分が興味があるであろう分野への転職を検討しましょう。
職場の人間関係が悪い
人間関係が悪い職場はストレスがたまりやすく、この状態を10年、20年と続けるのは非常に難しいです。
改善が難しい場合は素直に社内で異動希望を出すか転職を検討するのが良いです。
ただし、人間関係が悪い理由はある程度自分の中ではっきりさせておきましょう。
パワハラ上司等、特定の人間と極端にウマが合わない場合は、職場を変えれば人間関係が改善することが期待できますが、職場に沢山先輩、後輩、同僚がいるにも関わらず、多くの人とうまくコミュニケーションが取れていない場合、自分側に問題がある可能性があります。
その場合、職場を変えても同じことが起きることも想定されるため、いきなり異動、転職するよりは今の職場での人間関係の改善に力を入れたほうが良い場合もあります。
サラリーマンを続ける限りは望まない人間関係は切っても切り離せません。
どうしても人とのコミュニケーションが苦手の場合、製造ライン等、普段コミュニケーションをあまり取らなくても良い仕事を選ぶという選択肢もありますが、それでも人間関係の問題は発生しますし、人とのコミュニケーション能力はFIRE後も必要です。
むしろFIRE後こそ、自分から人と交流していき、社会資本を充実させていくことが人生の充実度を高めると思いますので、サラリーマンの時期から人とのコミュニケーション能力は積極的に高めていったほうが良いと思います。
年収が低い
日本は未だに年功序列文化が残っているため、新卒や入社数年目で年収が低いのはある程度仕方ありません。
まだFIREまで時間がかかるのであれば、年収の大小はFIREまでの年数に大きく影響しますし、年収は高いに越したことはありませんが、若い方がいきなり高い年収を取れる職業は限られているのも現状です。
それも承知の上で年収アップをしたい場合は転職を検討するとよいでしょう。
ちなみに私の場合は年収はずっと世間の平均位でした。
労働環境や人間関係は決して悪くはなかったため、年収よりもそちらを重視し、無理に年収アップによる転職を狙ったりはしませんでした。
ちなみに年収を上げたい場合、本業+副業収入のトータルで年収アップを目指すという方法もあります。
ハードワークにはなりますが、将来的にサイドFIREを目指しているという場合、自分のやりたいことを見つけるという意味でも一番近道になることは間違えありませんし、うまくいけばサイドFIREまでの期間を大きく短縮できるポテンシャルもあります。
残業、休日出勤が多い
FIREを目指しているということは、少なからず自由な時間にあこがれていると思いますので、残業、休日出勤が多いのは精神的にもつらいのではと思います。
特に仕事内容に興味が無い、人間関係が良くない等と合わせて残業や休日出勤も多い場合、これを10年、20年と続けるのはかなりキツいです。
また、小さな子供がいて子供との時間を重視したり、将来的なサイドFIREを見据えて副業を頑張りたい人にとって、本業で多くの時間を割かれるのは致命的です。
子供が小さい間に多くの残業、休日出勤で苦しみ、FIREする頃には子供が大きくなっていてしまっていたというのは人生の時間の使い方としては非常に勿体ないですね。
ただ残業、休日出勤が多いということは、残業、休日出勤手当の分、年収がある程度高い場合もありますので、結局そこは仕事内容や人間関係等の別の要因との総合判断にはなると思います。
私個人的には労働時間が長いというのは許容できないので、まずは労働環境の改善に努める、すなわち社内で残業の少ない部署への異動希望を出し、それが叶わなければ転職をします。
ちなみに私の会社はそこまで残業、休日出勤は多くはなかったのでこの悩みはなかったです。
職場が遠く通勤時間が長い
例えば通勤に電車で一日片道2時間とかをかけている人がいますが、これは本当に勿体ないです。
個人的には通勤時間が無駄に長いのは本当に人生の時間を無駄にしていると思います。満員電車とかであればなおさらです。
独身でアパート暮らしとかの場合は、職場の近くに引っ越しを検討しましょう。多少家賃が高くなっても一日片道1時間以上通勤時間を削減できるのであれば費用対効果は非常に高いです。
家族がいて既に自宅がある場合や、その他都合でどうしても引っ越しが難しい場合、そこは仕方ありませんので、なるべく通勤時間を無駄にしないように自己投資に使うのが良いと思います。
私は車通勤ですが、最近の通勤時間はyoutubeで情報のインプットに充てていることが多いです。TOEICを受けていた時は英語の勉強に充てていた時期もありました。
通勤時間は、積みあがると膨大です。一日1時間の通勤でも1年で約250時間、4年で1,000時間にも達します。
1,000時間というのは、何か一つのことをやり込めば周りからそれなりに認められるようなレベルにまで達するぐらいの時間です。この時間を目的もなく過ごすのか、何か目的をもって自己投資に充てるかで大きな差が出ます。
ただ通勤時間が長すぎると集中力にも限界があり、結局は無駄時間が多くなりますので、通勤時間はなるべく短くしたうえで、その通勤時間を自己投資に充てる、というのが人生全体で見た時に一番時間効率が高いと思います。
そもそも人の下で働きたくない
これまで何人かこの理由でサラリーマンをやりたく無い、という話を聞いたことがあります。
そもそも人の下で働きたくないという場合、資産のない状況で今すぐ会社を辞めてフリーランスになるというハイリスクな方法を選択しない限り、どう足掻いてもFIREまでのあと10年、20年は苦痛を伴うことにはなると思います。
ただ個人的な感想として、この理由を言っている人は自分自身の分析が不十分な傾向が強く、実は仕事内容に不満があったり、人間関係が上手くいっていなかったりと他の理由が原因なのではと思っています。
すなわち、そもそも人の下で働きたくない、と言っている人は、実は今の会社、今の部署に不満があることを大げさに表現しているということです。
冷静に現状分析を行えば、実は部署異動や転職をし、例えば上司や部下との人間関係が改善されれば、そこまでサラリーマンの仕事が苦痛ではなくなる可能性もあると思っています。
結局対策としては、部署異動や転職をし、今の自分の労働環境を変えてみることを第一歩とするのが良いでしょう。
社内で部署異動を希望する時の注意点
私は2017年に技術部から営業部への部署異動を希望しました。
本当の理由としては工作機械アタッチメントの製品自体に余り興味が無かったことと、将来のFIREを見据えると、このまま事務所に座ってCADで画を描く仕事がFIRE後に余り役に立たないと考えたことでした。
ただ、これをそのまま会社に伝えたところで異動は絶対に叶わないのは分かっていたので、表向きは別の理由を考えました。
結局、
- お金の流れや商流に興味があり、自社製品がどのようにお客様に届くのかを勉強したい
- 人と交流をする仕事に従事したい
- 技術経験を活かし、製品が分かっている営業マンとして会社に貢献したい
という前向きな理由を伝え、希望から約半年後に営業部への異動が実現しました。
ポイントは、自分が異動することで会社にとってどんなメリットがあるのか、異動をすることで自分がどのように成長できるのかをアピールすることです。
間違っても今の部署の悪口や不満を言ってはいけません。会社側も今の部署の悪口や不満を言う人は他の部署へ行っても同じことを繰り返すことを知っているからです。
あくまで自分は成長したい、会社に貢献できる、ということを前面に出すのが良いと思います。
とはいえ、それでも100%異動が実現するわけではありません。
異動は会社の都合で決まるケースも多く、個人の希望は全く反映されない会社もあったり、そもそもそんなに多くの部署がないような小さな会社の場合、部署ごとの仕事の割り振りが余りなく、皆が同じような仕事をしているケースもあります。
異動が叶わなかったり、そもそも会社内で異動の余地が少ない場合、いよいよ転職を検討することになります。
転職を検討する場合の注意点
転職を検討する場合、自分でハローワークとかに行くのではなく、転職エージェントを利用したほうが良いです。
私も総合的に今の会社が「苦痛」ではなかったため、本気で転職を希望していたわけではありませんでしたが、転職エージェントに登録して「転職活動」を行ったことがあります。
転職エージェントはネットに乗っていない企業の情報を持っていたり、自己分析や企業分析、履歴書、職務経歴書、面接のサポートまでを行ってくれ、今の市場価値を客観的に教えてくれます。
私の場合、自分が想像していた以上に私を必要としてくれる会社があること、仕事を選ばなければいつでも転職先があるということが分かり、非常に自信につながりました。
もちろん、今の会社と比較したうえで最終的に「転職をしない」という選択肢を取ることもできますので、転職活動自体のリスクはありません。
また転職エージェントは企業側からの報酬で成り立っているので、転職希望者側は基本的にすべて「無料」で利用できるのも利点です。
転職を検討する場合は是非利用してみてください。
まとめ
FIRE(サイドFIRE)を目指し始めた時、ほとんどの人が最初に感じるのが、「まだ時間がかかる」ということだと思います。
たしかに副業をすることで収入を確保すれば、ある程度サイドFIREへの期間を短縮することはできるかもしれませんが、私の中ではサイドFIREというのはあくまで資産収入である程度の基礎生活費が賄えている段階まで資産形成が進んだ状態だと思っています。
資産は短期間では構築できませんので、どうしてもサラリーマンとして「我慢」する期間は出てきます。
そこを本当に「我慢」し続けるのか、それともFIREまでの道のりもある程度楽しんだり、自分を高めるために有効的に使えるのかによって、FIRE前も含めた人生全体の充実度は大きく変わってきますし、FIRE後の展開も異なるのではと思っています。
私は14年間サラリーマンを続けてきましたが、確かに「我慢」の期間もありました。
ただ自分なりに部署異動を希望したりして、新たな学びの機会を作ったり、転職エージェントに登録して視野を広げてみたりと、自ら動いてきたことは間違えなく、終わってみれば総じてサラリーマン生活が「苦痛」だったとは感じていません。
何度も言いますが、FIREまでの10年、20年というのは「苦痛」に過ごすには長すぎますし、この10年、20年が「地獄」でその後が「天国」だった、という人は余り見たことはなく、FIRE後に充実した生活をしている人は、FIRE前もある程度は充実していた人が多いと感じています。
今回はFIRE前のサラリーマン生活に焦点を当てましたが、自分の人生トータルの幸福度を上げるため、是非ともFIRE前も出来るだけ充実した生活を歩めるよう、自ら行動していくのが良いのではと思います。
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