こんな悩みを解決!
- サイドFIREをするために不動産投資が必要かどうか知りたい
- 不動産投資のメリット、デメリットについて知りたい
- 不動産投資をする上での注意点について知りたい
ロレンシャンです。
サイドFIREを目指すためには「投資」が欠かせません。
当ブログでは再現性の高い方法としてインデックス投資を勧めていますが、中には不動産投資によって資産構築をしたいという方もいるかもしれません。
そういう私も不動産投資を取り入れてサイドFIREを達成した人間の一人です。
そこで今回はサイドFIREをするためには不動産投資は必要なのか、そして不動産投資のメリット、デメリットと不動産投資をする上での注意点を解説していきます。
サイドFIREするために不動産投資は必要?
サイドFIREするために不動産投資は必要か。
まずは結論、
「絶対必要ではない。ただし上手く投資できればサイドFIRE達成への大きな武器になる」
という答えになります。
不動産投資をせず、インデックス投資、高配当株投資、そして自分の事業だけでサイドFIREしている人は沢山いますし、不動産投資をしなければサイドFIREできない、といったことは一切ありません。
ただ、不動産投資は安定したキャッシュフローがあったり、資産の値動きがインデックス投資に比べてゆるやかなのでサイドFIREとの相性が良いですし、上手く投資できるならばサイドFIREに向けての大きな武器になることは間違えありません。
私自身もサイドFIREを達成したのは不動産投資による恩恵が大きかったことは事実です。
とはいえ、不動産投資はデメリットや注意点も非常に多く、万人に向けておすすめです、とは言えません。
次項以降、メリット、デメリット、注意点を具体的に解説していきます。
不動産投資のメリット
まずは不動産投資のメリットからです。
不動産投資には株式、インデックス投資には無い利点がいくつもあります。
結論以下の通りです。
- 銀行から融資を受けてレバレッジをかけることができる
- 会社員、公務員などの属性を最大限活用できる
- 株式、インデックス投資と比較して資産の値動きがゆるやか
- 良い物件はキャピタルゲインも狙うことができる
- 非常に安定したキャッシュフローを得ることができる
- 生命保険としての役割も担うことができる
順番に解説していきます。
銀行から融資を受けてレバレッジをかけることができる
不動産投資が資産形成に非常に有利な理由は銀行から融資を受けることができるということです。
株式投資、インデックス投資をするために銀行は絶対にお金を貸してはくれませんが、不動産投資であれば借りることができます。
これは銀行側が不動産という現物資産に対して未だに大きな価値を感じていることが大きく、最悪事業が上手くいかなくても、不動産を差し押さえれば資金が回収できるという安心感があるからです。
おおざっぱに計算します。
例えば1,000万円の資金を持っていて、その1,000万円を元手に4,000万円を銀行から借り入れ、5,000万円の物件を買うとします。
5,000万円の物件を年率4%で運用すれば年間200万円の収入になります。
元々手元にあるお金は1,000万円ですから、銀行から融資を受けてレバレッジをかけることにより、1,000万円の元手で年間200万円の収入を得ることができました。
インデックス投資で1,000万円を運用しても、年率4%だと40万円にしかなりません。
手数料や税金等を無視したざっくり計算ですが、不動産投資のイメージは沸いたと思います。
レバレッジこそが不動産投資の最大の武器です
会社員、公務員などの属性を最大限活用できる
不動産投資は銀行から融資を受けることが一番のネックですが、実は会社員や公務員は非常に融資を受けやすい立場にあります。
特に高年収の社員、大手企業の社員、公務員などは非常に「属性」が高く、融資条件が良くなる可能性があります。
先ほど、銀行側は事業が上手くいかなくても最悪不動産を担保にできるからお金を貸せると解説しましたが、仮に担保不動産以上の焦げ付きが出ても、銀行側は、属性が高く安定した会社員の場合は給与所得で返済することができると考えます。
不動産投資はこれらの属性を上手く活用すれば、大きな金額の融資を引っ張ることもできるのです。
逆に、フリーランスや、派遣社員、低年収の会社員、無名企業の会社員、勤続年数の短い会社員は「属性」が低く、銀行はお金を貸しづらくなります。
そもそも年収500万以上とかのハードルを課している銀行も多いですし、仮に融資が受けれても通常より金利が高いとか、融資期間が短いとかの条件が付きます。
銀行はお金に余裕のある人にお金を貸したくて、お金を貸してほしい人にお金を貸さない、こんな現実があることは知っておかなければいけません。
銀行としても不良債権を出したくないので仕方ありませんね
株式、インデックス投資と比較して資産の値動きがゆるやか
不動産は株式と比較すると資産自体の値動きがゆるやかです。
例えば2008年のリーマンショックの時、株式指数は高値から約50%下落しましたが、不動産価格は下落はしたものの、半値とかにはなっていません。
また、株価が短期間で行ったり来たりと激しく動いている時も、不動産価格もそれにつられて激しく動くかというとそんなことはありません。
大体は株価の動きから少し遅れて不動産価格は推移しますが、価格の推移は株価に比べて緩やかな曲線を描きます。
ただし、90年代の不動産バブルみたいなことも過去にはありましたので、今後も株式に比べて絶対にゆるやかな動きになるかというと、その保障はありません。
不動産は比較的安心して長期保有できますね
良い物件はキャピタルゲインも狙うことができる
不動産は買ったときがピークで築年数が古くなるごとに価値が下がっていく。
特に日本では30年間デフレが続いたため、こんな間違った認識を持っている人は少なくありません。
世界では、特に一等地の不動産価格は長期的には”上がっていく”というのが一般的な常識です。
良い場所に不動産を買うことができれば、家賃収入というインカムゲインだけではなく、不動産価格の上昇というキャピタルゲインも同時に狙うことができるのです。
さらに不動産は現物資産なのでインフレにも強く、インフレ社会では不動産価格は上昇していく傾向にあります。
ただし、もちろんすべての不動産が長期的に価格上昇が期待できる訳ではありません。
不動産は需給がすべてです。
特に日本は人口が減少していくからこそ、立地の選定はより重要になってきます。
需要のある立地の不動産価格は今後も期待できますが、需要の無い立地の不動産価格はかなり厳しいでしょう。
需要が無い立地だと、不動産価格だけでなく、不動産投資の根幹である安定した運営すらも難しくなります。
不動産は一にも二にも立地が重要ということですね。
不動産投資で立地は最重要事項です
非常に安定したキャッシュフローを得ることができる
しっかりと需要のある立地の物件を適正価格で買うことが出来れば、毎月、家賃収入という安定したキャッシュフローを得ることができます。
毎月のキャッシュフローは給料が無くなるサイドFIRE生活との相性が非常によく、サイドFIRE後も心の安定につながります。
安定してキャッシュフローについては、高配当株投資でも得ることはできますが、個別株式自体の値動きが非常に大きいため、不動産投資のほうが安定感は遥かに高いです。
ただし不動産投資の家賃収入は、そこから運営費や税金、修繕費などを支払う必要があるため、高配当株のキャッシュフローのように全部使って良いという訳ではありません。
その辺の資金管理が上手にできる方が不動産投資に向いていると言えるでしょう。
安定したキャッシュフローは不動産投資の魅力ですね
生命保険としての役割も担うことができる
物件を買うために銀行から融資を受ける際、同時に「団体信用生命保険」という保険に加入するケースが多いです。
これは、ローン契約者が死亡したり、重度の障害を負うなどした場合、残りのアパートローンが免除される保険です。
仮に夫が契約者でローンを組んでアパート運用していた場合、万一夫が事故で亡くなったとしても、妻はローンの無いアパートを引き継ぐことができますので、とりあえず生活に困ることは無くなります。
私自身も団体信用生命保険に加入しており、私に万一のことがあった場合は妻がローンの無い物件を引き継げるため、これを生命保険替わりとしています。
残された家族が路頭に迷わないのは安心ですね
不動産投資のデメリット
ここまで不動産投資のメリットを解説してきましたが、不動産投資には良い面がある一方、デメリットも多く存在します。
不動産投資を始めるならば、不動産投資の悪い面もしっかり認識しておくことが重要です。
結論は以下の通りです。
- 年収が低かったり、自己資金が少ないとスタートできない
- インデックス投資と比較すると再現性が低い
- インデックス投資と比較すると売買手数料が高い
- インデックス投資と比較すると流動性が悪い
- 詐欺や質の悪い情報が非常に多く出回っている
- 悪い物件を買うとリカバリーに非常に時間がかかる
- 確定申告が必要
順番に解説していきます。
年収が低かったり、自己資金が少ないとスタートできない
私が物件を積極的に買っていた2013年頃は銀行の融資も今よりは大分甘く、比較的年収が低くても物件が良ければ、物件の全額を借り入れるフルローンや、諸経費も含めてすべて借り入れるオーバーローンが出たりもしていました。
ただ2023年現在、かぼちゃの馬車、TATERU等の相次ぐ不正融資事件の影響もあり、銀行の融資環境は当時に比べて非常に厳しくなっています。
まず年収○○万円以上というハードルを課す銀行が増え、そもそも年収の低い人はスタートラインにすら立てない可能性もあります。
また、仮に年収のハードルをクリアしても、融資金額は物件価格の80%(LTV80%)まで、といった制限がある場合がほとんどです。
例えばLTV80%で1,000万円の中古区分マンションを買う場合、融資が下りるのは800万円となりますので、諸経費(物件価格の1割程度を想定)を含めて300万円程度の自己資金が必要となります。
一棟アパートを買いたい、とかになれば、最低1,000万~数千万の自己資金が必要です。
中々ハードルは高いですね。
今後銀行の融資状況も変化するかもしれませんが、不動産投資は時の銀行の融資状況によって結果が大きく左右される事業であることには間違いありません。
不動産投資は年々参入障壁が高くなってきています
インデックス投資と比較すると再現性が低い
インデックス投資の場合、二人の人間が同じ商品を同じタイミングに買い、同じタイミングに売れば、基本的に二人ともパフォーマンスは同じになります。
不動産の場合、同じ物件は二つとありませんので、二人の人間が似たような物件を買ったとしても、パフォーマンスは全く異なるものになります。
また、本人の属性、銀行の金利、融資期間、物件の立地、物件価格、購入時期、物件の状態、居住地などインデックス投資と比較すると変数パラメータが非常に多く、Aさんが成功したから似たような方法でBさんが同じ成功するとは限りません。
再現性を強く求めるならばインデックス投資のほうが無難でしょう。
不動産投資は事業なので再現性はインデックス投資には劣ります
インデックス投資と比較すると売買手数料が高い
不動産の売買には多くの諸経費がかかります。
特に購入時は、
- 仲介手数料
- 司法書士手数料
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 印紙代
- 火災保険、自身保険料
- 固定資産税、都市計画税
といった多くの手数料がかかり、おおよそ物件価格の1割程度は見ておく必要があります。
ということは、株のようにキャピタルゲインを狙って短期で売買をするということは不可能です。
一度買ったら、長期的に保有することが前提となりますので、長期で問題なく安定運用できることが非常に大切ですね。
株や投資信託と比較すると売買手数料は非常に高いです
インデックス投資と比較すると流動性が悪い
株や投資信託の場合、非常に流動性がありますので、極端に需給が崩れた銘柄以外は、売ろうと思ったその日にボタン一つで売ることができます。
一方、不動産はその日に売って現金化する、ということは出来ません。
売ろうと思った日から、不動産会社と媒介契約を結んで、物件を掲載、契約、決済まで結構な時間がかかりますし、買主と契約をする手間などもあります。
すぐに現金が欲しい、といった事態への対応は難しくなります。
買うのも売るもの時間がかかりますね
詐欺や質の悪い情報が非常に多く出回っている
不動産というとイメージの悪い印象を持たれる方も多いかもしれませんが、実際に詐欺話や割高な物件情報が出回っているのも事実です。
割高な新築区分ワンルーム、売れ残りの劣悪物件、需要が無い土地での新築アパート投資、住宅ローンを使った違法スキーム、高額なセミナー、コミュニティー、情報商材と、挙げれば切りがありません。
ある程度実戦経験を積めば、これらがすべて詐欺か、購入者からお金を巻き上げようとしていることは分かるのですが、まだ不動産投資を実際にやったことがない状態だと、騙されるリスクもあります。
質の悪い情報が多く出回っている業界だからこそ、株式投資以上に情報の取捨選択力が求められます。
騙される人が多いからこそこの手の情報は無くならないんでしょうね
悪い物件を買うとリカバリーに非常に時間がかかる
前項で詐欺話や割高な物件情報が多く出回っているという話をしましたが、一度これらの話に騙されてしまうと、リカバリーに多くの時間がかかる、もしくは致命傷を負ってしまう可能性だってあるのが不動産投資の怖い所です。
例えば質の悪い物件を割高な金額で買わされてしまった場合、毎月のキャッシュフローが赤字になり、毎月の給料から手出しでローンを返済しなければいけなくなります。
さらに割高に買っているため、物件の市場価格よりもローン残債のほうが大きくなるので、売るに売れない状況になります。
そして、物件の劣化と共に家賃が下がったり、空室が埋まらなかったり、修繕費が嵩むと、毎月の赤字に耐え切れなくなって自己破産に追い込まれる可能性もあります。
不動産投資は融資を受けてレバレッジがかかる分、失敗すると一発退場の危険性もあることは認識する必要があります。
致命傷を絶対に負ってはいけないのはビジネスの基本です
確定申告が必要
不動産投資をする場合、必ず確定申告が必要になります。
そして、5棟10室以上の場合は青色申告特別控除を受けることができるのですが、これを受けるためには複式簿記による帳簿を付けなければいけません。
この確定申告、自分でやると結構な手間がかかります。
特に慣れるまでは非常に時間がかかるでしょう。
とはいえ税理士に依頼すると、それなりの手数料がかかりますし、規模が小さい場合は結局自分でやらざるを得ないです。
私も慣れるまでは毎年、確定申告の時期になるとげっそりしていました。
サラリーマンだと帳簿を付けるのも結構大変です
不動産投資をする上での注意点
ここまで不動産投資のメリット、デメリットを見てきましたが、ここからは、いざ不動産投資をする上での注意点について触れていきたいと思います。
まず結論は以下の通りです。
- キャッシュフローのシミュレーションしてから買う
- 他人の情報を鵜呑みにして投資しない
- 家族の理解を得てから始める
順番に解説していきます。
キャッシュフローのシミュレーションしてから買う
物件を購入する上で、キャッシュフローのシミュレーションは絶対に行いましょう。
ここでは細かくは触れませんが、想定キャッシュフローを算出する上では「キャッシュフローツリー」と呼ばれる計算を行います。
キャッシュフローツリーの計算を行う上では、ざっくり以下のパラメータを抑えておく必要があります。
- 想定家賃収入
今入っている入居者の家賃ではなく、その入居者が退去した後いくらで貸せるのか
- 空室率
年間でどの程度の空室が想定されるか、また将来的な空室率の上昇リスクも考慮
- 運営費
管理費、修繕積立金、管理会社への管理手数料、水道光熱費、保険料、固定資産税など
- ローン返済額
銀行にローンを返済する額
- 税金
所得税、住民税など
想定家賃収入から空室率、運営費、ローン返済額を引いたものが税引き前のキャッシュフロー、そこから税金を引いたものが税引き後のキャッシュフローとなります。
大前提として、税引き前のキャッシュフローが薄いと不動産運営は非常に苦しくなります。
物件を購入する際は、キャッシュフローがしっかり出るかをしっかり計算した上で購入判断をしましょう。
このキャッシュフローツリーの計算は不動産会社がやってくれるケースもありますが、家賃収入や空室率の想定が甘かったり、運営費が安く見積もられていたりする場合があるので、自分でも再確認することが重要です。
不動産投資はこのシミュレーションが非常に重要です
他人の情報を鵜呑みにして投資しない
先述の通り、不動産の世界は質の悪い情報や詐欺まがいの情報が多く出回っています。
特に向こうからやってくるような投資話は100%儲からないと思うぐらいがちょうど良いです。
特に医師や公務員、上場企業の社員などの属性の高い方は、あなただけの特別な情報、といった詐欺話が来やすいので注意が必要です。
また、知り合いからの紹介とかにも注意しましょう。
いくら知り合いでも、本当に儲かる話ならば人には渡しませんよね。家族や親戚からの話であっても、その人自体が騙されている可能性だってあります。
とにかく、不動産投資の世界は一つの大きな失敗が致命傷になる世界です。
どれだけ親しい関係であっても、他人の情報を鵜吞みにして投資するのは厳禁です。
儲かる話を他人に紹介するはずありませんね
家族の理解を得てから始める
不動産投資は銀行の融資を受ける必要があるため、株式、インデックス投資と比較して、配偶者などの反対を受けやすい投資と言えます。
配偶者が借金自体に強い嫌悪感を持っている場合もありますね。
ただ、不動産投資は必ず配偶者の理解を得てからスタートさせましょう。理解が得られないならば、理解を得る努力をすることが先です。
まずはしっかりと話を聞いてもらうために普段からの信頼関係をもっと強くすることから始まり、最終的に自分がやろうとしている投資に理があることを理論的に説明します。
そもそも話をまともに聞いてもらえない場合は普段からの信頼関係が足りていない可能性がありますし、理論的に説明できないということであればその投資は余り良くない投資なのかもしれません。
絶対やってはいけないのは、配偶者の反対を押し切って投資を強行することです。
これをやってしまうと二人の信頼関係は崩壊しますし、そもそも何のために不動産投資をするのでしょうか。
家族の信頼関係を壊してまで不動産投資をして、その先に何があるのか。
まずはそこから考えなければいけませんね。
不動産投資をする根本的な目的は見失わないようにしましょう
まとめ
以上、サイドFIRE達成のための不動産投資の必要性やメリット、デメリット、注意点について解説してきました。
不動産投資は、うまく活用することでサイドFIREに大きく近づくことができるポテンシャルを秘めています。
一方、知識がないまま見切り発車してしまうと、致命傷を負ったり、リカバリーに非常に時間がかかり、結果的にサイドFIREが遠のく、もしくは不可能な状況になってしまうリスクも大いにあります。
「まずはやってみる、それから考える」
私はこの言葉が好きですが、こと不動産投資に関してはこの言葉は当てはまりません。
物件購入前には、その物件、その土地の将来性や、キャッシュフローツリーによるシミュレーションなど、慎重な投資判断が必要です。
当ブログでは、万人に向けた再現性のあるサイドFIREへの道筋について解説しており、その点を考慮すると不動産投資については積極的には勧めていません。
今後不動産投資を検討している方は、ちまたの良い話だけではなく、不動産投資のリスクについてもしっかりと認識をして進めて頂ければと思います。
コメント