「金」投資の種類やメリット、デメリット、私の投資方針について

ロレンシャンです。

私はS&P500、およびオールカントリーのインデックスファンドや日本の個別株、日本の不動産へも投資しているのですが。最近一部資金を「金」に投資しようか迷っています。

なぜ今「金」への投資を検討しているのか。

結論からいうとリスク分散のためです。

別に景気の波を読んでいるわけではありませんが、リセッション(景気後退)の足音が近づくと言われている中、資産の一部でも、株式とは異なる動きを持つ資産へ分散しておこうという守りの意識が働きました。

なにも永久に金をポートフォリオに組み込もうというわけではなく、リセッションに備えて少し金を持ち、実際に株価の急落などが起き、また景気拡大局面になれば手放そうというスケベ心も働いています。

景気を読むのは非常に難しく、余り得策ではないことは百も承知で、それこそ『検討』だけで終わるかもしれませんが、とりあえず金への投資を検討するに辺り、どのような投資方法があるのか、また各投資方法に対するメリット、デメリットを少し調べてみました。

もしこれから金へ投資しようと考えている方がいましたら参考にして頂ければ幸いです。

目次

金投資の基本知識

まずは簡単に金投資の特徴を下記します。

  • 金自体に実物価値がある
  • 世界共通の価値を持つ
  • インフレに強い
  • 金自体から利益や配当を生まない
  • ドル建て取引のため為替の影響を受ける

株は会社が倒産すれば紙切れになるし、通貨は国が破綻すれば紙切れになります。ただ、金は世界共通の価値を持ち、金自体に需要がありますから、価値がゼロになることはありません。

また金は埋蔵量に限りがあり、通貨のようにどれだけでも刷れるというものではありません。通貨の発行量は年々右肩上がりで各国政府も毎年2%程度のインフレを目指していることから、相対的に通貨に対する金の価値は上がり続けていくことが予想されます。

ただ、金自体は株式のように利益や配当を生みませんし、不動産のように家賃収入があるわけでもありません。インカムゲインは一切なく、金投資で儲けるならばキャピタルゲイン(値上がり益)を取るしかないということです。

また後述しますが、金は基本的にドル建て取引です。円で生活する私たち日本人が金を買うということは、どうしても為替の影響を受けてしまいます。

金へ投資するためにはどのような投資方法があるか

金へ投資するといわれ、金の延べ棒や金貨を購入して金庫に入れておく、と想像した方、一応正解で現物の金を買って保管しておく、といった投資方法もあります。

金への具体的な投資方法として、以下があります。

  • 金現物投資
  • 純金積立
  • 金ETF(上場投資信託)
  • 金投資信託
  • 金先物取引

一つずつ、詳細を解説していきます。

金現物投資

貴金属店へ行って現物の金を買ってきて保管しておく方法で、商品を買って手元に持っておくという一番オーソドックスな投資となります。

メリット

  • 手元に実物資産がある
  • 保有している実感がある

デメリット

  • 本物を見極める必要がある
  • 加工費、デザイン料などの諸経費が上乗せされている
  • 保管コストがかかる
  • 紛失する可能性がある

万が一金融システムが破綻したり大きな戦争が起きたりして、データ上の資産や手元の紙幣が全く役に立たなくなるような緊急事態が起きたとしても、最悪手元に金の現物があればすべての資産を失わずに済みますね。

一方手元に置いておくということは、無くしたり盗まれたりといったリスクが付きまといますし、そのリスクを軽減するために厳重な金庫に入れたりといった保管コストもかかります。

また一般の貴金属店で金を購入する場合、偽物を掴まされたりしないように注意する必要もあります。

実は私も結婚した時に妻からもらった金のブロック20gを現物として保有しており、金庫の中で大切に保管されています。

ただこのような記念品ではなく、今回のように資産ポートフォリオとして金を加える場合、やはりそれを現物で保有するというのは慎重になったほうが良いと思います。

純金積立

毎月一定額の金を積み立て購入していく方法で、貴金属メーカー、地金商、証券会社、銀行などが取り扱っています。積み立てたお金は実物の金購入に充てられ、金は取り扱い機関が責任をもって預かります。

メリット

  • 少額から投資ができる
  • ドルコスト平均法で積立ができる
  • 金現物に交換ができる

デメリット

  • 売買や管理のコストが高め

定間隔でコツコツ購入していけるのが魅力で、定額積立と定量積立のいづれかを設定でき、定額積立とすればドルコスト平均法で安い時に多く、高い時は少なく積立をしていくことができます。

純金積立の主な取り扱い企業は以下の通り。

手数料で比較すると、毎月5万円以下の積立であれば、楽天証券、SBI証券、マネックス証券のいづれかが手数料は安いです。純金積立をする場合、この3つの証券会社の内、自分が使いやすいと思う証券会社で積立をすればよいと思います。

とはいえ購入手数料は購入金額の1.65%程度かかり、金は株式のように毎年利益が積みあがるわけでも配当が出るわけでもありませんので、この手数料は結構高めな印象です。金は「増やす」というよりも「守る」に重点を置いた投資だということが分かりますね。

また上記5社はいずれも一定額以上積み立てると現物交換することもできます。

金ETF(上場投資信託)

ETF(上場投資信託)とは様々な指数に連動するよう設計された投資信託の一種です。

金ETFは、運用の成果が金価格に連動するように設計されており、証券会社を通して株式を売買する感覚で手軽に売買が出来るのが特徴です。

メリット

  • 現物を保有しなくても良い
  • 流動性が高い
  • 少額から投資ができる
  • 有価証券扱いのため分離課税が適用

デメリット

  • 管理費用(信託報酬)がかかる
  • 金を保有している実感がない

金ETFは日本国内(東京証券取引所)に上場しているものもあります。国内に上場している主な金ETFは以下の通り。

国内ETFの場合、信託報酬や純資産総額から、【1326】SPDRゴールド・シェア、もしくは【1672】WisdomTree 金上場投資信託、辺りが良さそうですね。

そして米国にはさらに多くの金ETFが上場していますが、その中でも投資対象となりえるものをピックアップしました。

米国ETFのおすすめはSPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト【GDLM】で、SPDRゴールド・シェア【GDL】に比べて純資産総額は少ないものの、信託報酬は格安です。

国内、米国どのETFも、証券会社によっては売買手数料が発生する他、保有しているだけで年間の信託報酬(管理費用)が発生します。

金と連動する金鉱株へ投資するヴァンエックベクトル金鉱株ETF【GDX】もあります。金鉱株は金と同じ動きをすることが多いですが、金よりも値動きが激しいのが特徴です。

また金ETFは株式と同様の扱いとなるため、本業の所得に関係なく所得税住民税合わせて20.315%申告分離課税が適用されます。所得が高い方にとっては大きな魅力です。

金投資信託

金投資信託は、金ETFと同様、運用の成果が金価格に連動するように設計されており、証券会社を通して売買することが出来ますが、金ETFや株式のようにリアルタイムの価格で取引ができるわけではなく、通常の投資信託と同様価格がつくのは一日一回となるため、約定するのも一日一回となります。

メリット

  • 現物を保有しなくても良い
  • 流動性が高い
  • 少額から投資ができる
  • 有価証券扱いのため分離課税が適用
  • 為替ヘッジ有無を選択できる

デメリット

  • 管理費用(信託報酬)がかかる
  • 金を保有している実感がない
  • リアルタイムでの取引ができない

こちらも証券会社で手軽に売買ができますが、ETFのようにリアルタイムでの取引はできず、あらかじめ注文を出しておくと、一日一回の基準価格算定値での取引となります。

現状手数料が安く、検討に値する投資信託は以下です。

こちらも保有しているだけで管理費用(信託報酬)がかかり続けます。まだ歴史が浅く純資産は少なめですが、今のところ信託報酬が安いのはSMTゴールドインデックスオープンで、年率0.275%となります。

そして投資信託の特徴として、為替ヘッジ有りを選択することができます。為替ヘッジに関しては後述します。

また申告分離課税が適用される点はETFと同様で、本業の所得に関係なく所得税住民税合わせて20.315%が適用となります。

金先物取引

金は先物市場でも取引されており、証拠金を入れることでレバレッジを利かせた取引をすることもできます。

メリット

  • レバレッジをかけることができる
  • 売りから入ることもできる

デメリット

  • 保有資産以上の損失を出す可能性がある
  • 反対売買の期限がある

先物取引は「先」に価格を決めて「後」で物の受け渡しをする取引で、例えば半年後の金の取引価格を今決めてしまい、半年後にその価格で金を受け取れます。半年後に金相場が上がっていれば、その差額分が利益になるイメージです。

最大の特徴はレバレッジをかけることが出来る点で、例えば50万円を入金してそれを証拠金として500万円分の金を売買できますので、思惑通りに価格が推移した場合、大きな利益を享受できる一方、思惑とは反対に動いた場合、ある程度の証拠金額を下回るとロスカットといって強制的に決済が行われてしまい、致命的な損失につながる可能性があります。

また取引に期限があるのも特徴で、長期間にわたってポジションを保有することが出来ず、期限が来れば反対売買の決済をしなければいけません。

先物取引は、直近金価格が上がる(もしくは下がる)と自信がある場合に、短期的に勝負をするような投資で使用し、長期間保有するには適していません。

どの投資手段がおすすめなのか

ここまで5つの金への投資手段について解説してきましたが、結局どれがおすすめなのか。

結論から言うと、金投資をどのような位置づけで考えているかによって以下2点のどちらかに投資するのが良いと思います。

  • 純金積立・・・金を資産ポートフォリオの一部として長期的に保有したい場合
  • 金ETF、金投資信託・・・金をリスク分散の一部としてとらえ、場合によって売却の可能性がある場合

純金積立は売買コストは若干高めですが、管理コストは無料な業者が多く、長期での保有には適しています。

例えば資産ポートフォリオの5%程度は何があろうと金で保有すると決めたのであれば、純金積立でコツコツ積み立てていき、リバランスは積立額を随時変更しながら調整していくのが良いと思います。

一方、リセッションに備えて金を保有するものの、例えば仮に株価の暴落が起こればリスクを取って金を売却し、株や不動産へ乗り換えるような可能性があるならば、ETFや投資信託での投資が良いでしょう。

年率0.2~0.5%程度の管理コストはかかってしまうものの売買コストはかからない商品(証券会社)もあり、仮に短期で売却することになった時でも資産の目減りは余りありません。また流動性が高いのですぐに売却できるのも魅力です。

私も今後はタイミングを見て金投資信託のSMTゴールドインデックスオープン(為替ヘッジ無し)の購入を検討しています。超長期で保有するというよりも、リセッションに備えたリスク分散の意味合いが強いからです。

為替に大きく影響を受ける点に注意!

日本での金投資で頭を悩ませるのが為替の影響です。

私たち日本人が金の取引を行う場合は円を使って売買することが多いですが、世界的にはドルを使って取引されており、円で取引をしている限り、ドル円相場の影響を大きく受けます。

国際的には金は「トロイオンス」という単位で取引されており、1トロイオンスは約31.1035グラム。日本での金の取引は1グラム当たり何円で取引されるので、金を日本で売買するときはドルを日本円に換算してからグラムあたりの値段を算出します。

よって、円高ドル安になると金の価格は下がり、逆に円安ドル高になると金の価格は上がるのです。

例えば今のような円安局面で日本で金を買った場合、今後為替が円高に振れると金価格は下がるため、正直中々買いづらいです。もちろん今後さらに円安が進む可能性もありますが・・・。

そしてこの為替の影響、相当大きいです。

例えば1ドル150円→100円になった場合、1トロイオンス当たりの国際価格が変わらないとしても、日本で投資した金価格は約2/3になります。

守りの投資といわれる金ですが、為替の影響を加味した場合、実は結構ボラティリティが大きいのです。

為替ヘッジありの投資信託について

金投資信託には為替ヘッジありのものがあります。

円安局面では為替ヘッジありの投資信託を購入すれば良いという意見もありますがどうなのでしょうか。正直今のところあまり乗り気ではありません。

理由はヘッジコストです。

ヘッジコストは理論的にいうと、「ドルの短期金利と円の短期金利の差」となります。

2022年12月現在、米国が利上げを継続しており日本はずっとゼロ金利政策をとっていますので、足元の金利差は大きく拡大しています。現状は4%程度のヘッジコストがかかっていると思われ、極めて高コストです。

そして私は「基本的に為替は読めない」、というスタンスなので、円高になることを見越してヘッジをかけるというのもあまりピンと来ていません。

今後の投資方針まとめ

金投資について私の今後の方針をまとめると、

  • リセッションへの備えとして金投資を検討
  • ドル円相場を注視し、円高が進むことがあれば投資するかも
  • 購入するのはSMTゴールドインデックスオープン(為替ヘッジ無し)を検討
  • 購入金額はあくまで資金の一部に留める
  • リセッション、株価の暴落局面があれば金を売却して株や不動産への全振りもありえる

といった感じでしょうか。

何が何でも買いたいといった感じではなく、円高局面が来れば買っていこうかなといったスタンスです。仮に円安がまだ進行した場合はおそらく買わずに様子見になると思います。

私の中では金は資産運用の主軸にはなりえず、これからも、あくまで一時的に景気後退局面が迫っていると感じた時のサブ的な位置付けで考えていきたいです。

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この記事を書いた人

2023年7月にサイドFIRE達成!

現在38歳で元営業職。投資歴10年以上。

当ブログにて、再現性のあるサイドFIREへの道筋や私のサイドFIRE生活、投資関連情報ついて発信。現在せどりで事業所得構築奮闘中!

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